第8章 トライアングル (三ツ谷隆 柴八戒)
『柴くん?
私の顔に何かついてる?』
「ん、あ、ごめんぼーっとしてた...」
ほんとは綺麗だなって見惚れてた。
その柔らかそうな髪に触れてみたいって。
『柴くんにはお姉さんがいて
三ツ谷くんには妹ががいるのかあ…』
あ、またタカちゃんの話...。
「うん、俺は姉貴がいて
タカちゃんは妹2人いる。」
『へー…2人いるんだ
あんなお兄ちゃんいたら自慢だよねえ』
たしかにルナとマナにとってタカちゃんは
なんでもできる自慢の兄貴だと思う。
俺にとっても最高にかっけえ兄貴分だ。
だけど…
「今...タカちゃんの話やめ、よ。」
『え?』
「今といるのは俺じゃん...」
やばい、なに、何言った俺。やばい!
『そ、だよね。ごめんねっ!
私ってば三ツ谷くんの話なんかして…!
えと、柴くんのこともっと教えて?』
「い...や、ごめん。
いいよ、無理に俺の話とか...ほんとごめん」
『無理にじゃない、私が悪かった。
柴くんと仲良くなりたいのは本当だから
もっと柴くんのこと知りたい。だめかな?』
「ダメなわけ…ない。」
『良かった…じゃあそうだな。
誕生日はいつ?…って子供みたいな質問でごめん笑』
絶対困らせた。最悪だ...気遣わせてる。
はタカちゃんが好きなのに。
なのに俺は自分を見てほしいとか思ってんだ…。
「誕生日は9月4日」
『9月か、まだ過ぎてないね。
次はえっと…あ、身長いくつ?』
これ知りたかったの、と笑う彼女
「身長は183…かな。」
『わわ、思ってたより高かった!
私小さいから羨ましいよお』
小さいって言うけどきっと平均そこらだろう。
スラッとしててスタイルがいい感じ。
俺からしたら確かには小さいけど
でも小さい方が
「可愛い…」
『かわ…え、なにっ?』
「…待って嘘、声に出てた…っ」
『あはは、柴くんもそういうこと言うんだっ
なんかイメージないからビックリしたけど!』
褒めてくれて嬉しいよ、とニコニコ笑う彼女。
ああ、その笑顔がどうしようもなく可愛い。
トクントクンと高鳴る鼓動が早い。