第8章 トライアングル (三ツ谷隆 柴八戒)
朝、学校についたら
『柴くんおはよう』
「お、おはよう」
が挨拶をしてくれた。
相変わらず愛想の無い返事をしてしまったけど
実は少し嬉しかったりしてる。
女の子から挨拶されるのってなんか胸がザワザワする。
『あのさ、柴くん』
「ん?」
『三ツ谷くんて何組?』
俺が席に着くなりタカちゃんのクラスを聞かれる
「タカちゃん?」
『うん、そうタカちゃん』
「タカちゃんはたしか3-2だった気がする
会いに行くの??」
『会いにっていうかー…
昨日ハンカチ借りたから返しに行きたくて。』
あぁ、昨日借りてたハンカチ。
ああいうことスマートにできるんだから
タカちゃんてばほんとにカッコイイよね。
俺ハンカチなんて持ち歩いてないもん。
「あ…俺が渡しておこうか…?」
ただの親切心で言った…と思う。多分。
『…っ自分で渡したい、かな。あ、その、私が借りたし…!人伝いで返すの失礼かなーって!はは。』
「そ…っか。」
なのに少し慌てて弁解するの言葉を聞くとなんだか苦しくて、タカちゃんのところに行ってほしくないって思った。
『う、うん!ありがとうねっ』
の耳、少し赤くなってる。
タカちゃんのこと…好きになったのかな…。
休み時間を告げるチャイムがなって
胸が少しだけ苦しくなった。
『あ、じゃあ三ツ谷くんのとこ…行ってくるっ』
「あ、うん…行ってらっしゃい」
別に言わなくていいのに、行ってくるっ と小さく深呼吸をして教室を出ていく。それを見たくなくていつもはタカちゃんのところへ行くのを今日はやめて珍しくクラスメイトの輪に入った。
クラスの奴と話すのは楽しい。
タカちゃんや東卍の皆といるのとは違う。
けどこの場所も楽しい。
は今頃タカちゃんのとこだよな。
…って何考えてんだろ。
俺には関係ないのに。