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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第8章 トライアングル (三ツ谷隆 柴八戒)


3年2組…3年2組…。

3年生フロア来ることあんま無いから緊張する。

ここだ。

3-2と書かれた教室。
開いている後ろのドアから三ツ谷くんを探すとすぐに見つかったシルバーパープルの頭。

「キミ2年生?誰か呼ぶ?」

近くの席に座ってた人が私に気がついて声をかけてくれた。

『あ、三ツ谷くん…を』

「おっけい。
三ツ谷!!」

『すみません、ありがとうございます』

「んー?ってじゃん!」

近づいてきた三ツ谷くんがそのまま隣の空き教室へ入っていった。3年の教室だと居心地悪いだろって。三ツ谷くんにとってはなんでもない気遣いかもしれないけど私にとっては結構…心臓きゅう〜ってなる。

『あの、ハンカチ返しに来ましたっ』

「おーさんきゅ!
あれ…なんか入ってる?」

『ほんと気持ち程度なんですけど…私の好きなお菓子入れたので良かったら食べてください。』

「あーこれ!俺の妹がすげぇ好きなんだよ!
妹にあげてもいいか?」

『も、もちろんです!』

三ツ谷くんて妹がいるんだ。
こんなに嬉しそうな顔して妹の話をするんだから、きっとすごく可愛がっているんだろうな。

「んじゃ教室まで送るよ」

『あ、はい。ありがとうございます』

あ、私もう少し一緒にいたいと思ってる。

教室まで送ってもらう間も三ツ谷くんは気を利かせて色な話題を振ってくれた。兄弟はいるのかとか、毎日あんな遅くまで練習してるのか...とか。

『送ってくれてありがとうございます』

「俺もお菓子もらっちゃってさんきゅーな!
お、八戒いんじゃんっ!」

「えっタカちゃん?と、。」

教室で男の子同士わちゃわちゃと盛り上がっている中に柴くんを見つけて笑顔を見せる三ツ谷くん。この2人は本当に仲がいいんだな。

「なんだ八戒、お前友達いたんだな!」

「ちょっと!ひどいなタカちゃんっ!」

「ははっ、じゃあチャイムなるし戻るわ!」

『あっ、三ツ谷くんありがとうございました!』

あぁ…行ってほしくないって思っちゃってる。

「おう、またな!」

ポンッと優しく私の頭を撫でた三ツ谷くんはくるりと背中を向けて3年生のフロアへと戻っていった。

あ…あたま…撫でられちゃった…っ

昨日もしてくれたけど昨日のは違うっていうか…っ
やばい私これ完全に三ツ谷くんのこと…っ
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