第8章 トライアングル (三ツ谷隆 柴八戒)
『さっきの人は怖かったけど…三ツ谷くん助けに来てくれたし。モフモフの人たちも怖くないし、何より柴くんは優しい人って知ってるから。』
そう言って微笑んだ彼女に胸がぎゅっとなった。
なんだろ…この感覚。
「そ…っか、なら良かった。」
『あ、えと、明日も話しかけていい?』
「も、もち…ろんっ」
『えへへ、よかった…!』
誤解が解けて良かった。
明日からもまた話せるんだ。
仲良くなれたら…いいな。
『あ、じゃあ私帰るね。
えと…あ、いたっ!
三ツ谷くんありがとうございました!』
俺に一言帰ると言ってからタカちゃんを探してお礼をいう彼女。このまま1人で帰すのってきっと危ないよね…。
「…っ」
『ん?』
「、俺が送ってくから後ろ乗りな。
はい、これヘルメットね。コレちゃんと被ってそんで俺にしっかり掴まってて。八戒はアングリーに送って貰え。」
「あ…うん。」
タカちゃんやっぱスマートだな…。
俺はあんなことサラッと言えないや。
『家すぐなんで大丈夫ですよ!
助けていただいた上に送ってもらうなんて…』
「また襲われたらどーすんだよ。
ほら早く乗りな迷惑なんかじゃねえから、な?」
ヘルメットを被せてあげて
それから抱き上げてうしろへ乗せるタカちゃん。
『ほんと…すみません。
ありがとうございます…っ』
「いいって、はいつかまっててね。
じゃあな八戒また明日。」
「あ、うんまた明日
ばいばいタカちゃん。」
俺はを送りたかったのかな。
なんだか胸がモヤモヤする。
『あっ、柴くんさっきなんか言いかけたよね?』
「…っいやなんでもないよ大丈夫。
もまた明日ね。」
ブォーンと去っていく2人を見つめながらなんとも言えない気持ちになった。だけどこの感情が何なのかは分からない。
「八戒?帰らないの?」
「あ、ごめん帰る!」
アングリーに声をかけられて急いでうしろに跨った。なんか今日は色んなことがあって心が追いつかないや…。帰って寝よう。明日になったらなんでもないかもしれないし。
そう思いながら俺は帰路に着いた。