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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第8章 トライアングル (三ツ谷隆 柴八戒)


定期集会が終わって俺はいつも通りタカちゃんの後ろに乗って家まで送って貰っている。

「なあ、今日の休み時間一緒にいたの誰?」

「あー…同じクラスの子だよ。どうして?」

「お前が女の子と一緒にいるの初めて見たから。珍しいこともあるんだなーと思っただけだよ。」

「あの子が生物の小野先生の授業寝ててさ。出席番号順に当てられてたから次当たるよって起こしてあげたんだ。そしたらお礼に飲み物奢るって言ってくれて…」

「あー小野先生怒るとダルいからなあ…
まあどっちにしろ珍しいわ」

「俺もそう思うよ」

ほんと珍しい…らしくないな。
どうして起こしてあげようって思ったんだろ。
女の子にあんなことしたの初めてだな…。

「…っ!八戒悪ぃちょっとここで待ってろ!」

「え、ちょっとタカちゃん!?」

バイク見とけ、それだけ言ってインパルスのエンジンを切ったタカちゃんが俺を置いて道路の反対側へと走っていった。

5分…10分経っても戻ってこない。

もう…タカちゃんどこいったの!

重いインパルスをひいてタカちゃんが消えた細道へと向かう。角を曲がると見えたパープルシルバーの髪。

「ちょっとタカちゃん遅いよ早くし…え!?」

『…っ柴くん!?』

えっ!?

「八戒が女の子の知り合いなんて珍しいね」

「あれ、アングリーたちも来てたの?
知り合いっていうかクラスメイトだよ…」

『し…柴くん何してるの?』

「何って…えっと…えっと」

ああどうしよう…目が見れない…っ

『柴くん?もしかして女の子苦手?』

「いや!え…っと、うん…ごめん。」

…ってこれ失礼だよな。

『そっか、じゃあ今日話しかけすぎたよね…』

あれ、でも全然嫌じゃなかった…な。
誤解とかないと…っ

「いや嬉しかったから…全然…って、いや!
えっとごめん嬉しかったっていうのは…っ!」

「八戒きょどりすぎ。きらが困ってる」

いつの間に呼び捨て…っ!?
タカちゃんてばスマート過ぎる…。

『柴くんも東京卍會?の人なの?』

「あー…うん、そうなんだ。引いた?」

あ…まだバレたく無かったな…。

『え、どうして?』

「いやだって暴走族とか…怖いだろ。」

もしかしたら仲良くなれるかと思ったけど
明日からまた話せなくなっちゃうのかな。
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