第8章 トライアングル (三ツ谷隆 柴八戒)
「よお、三ツ谷ぁ」
「スマイリー遅せぇよ
ソイツだよこの子連れてこうとしてたの
早く持ってってくれ怯えてるから」
少したってオレンジのモフモフ頭の人が来た。
三ツ谷くんと同じ黒い服を着ていて
腕や背中に金色の文字が刺繍してある。
「おいゴラァ!テメェ何してくれてんだ??」
ニコニコと笑顔で男の人の胸ぐらを掴むオレンジの人。
「俺らの隊の奴が本当にごめんね。
怖かったでしょ。怪我してない?大丈夫?」
すっと私の前に現れたスマイリーと呼ばれた…あれ?同じ顔だけどモフモフの色が違う…青い。オレンジの人はまだあっちで男の人の胸ぐら掴んで怒鳴ってる。
「アングリーも来てたのか」
「うん、兄ちゃんだけだと歯止め効かなくなったら困るからね。三ツ谷も迷惑かけてごめんね。女の子助けてくれてありがとう。」
「コイツたまたま同じ学校の奴だったしこんな暗い時間にこの道って最近いい噂なかったからな。追いかけてきて正解だったわ。」
あ…追いかけてきてくれたんだ。
なんて優しい人なんだろう。
「ちょっとタカちゃん遅いよ早くし…え!?」
ん…?タカちゃん?
『…っ柴くん!?』
「八戒が女の子の知り合いなんて珍しいね」
アングリーさんが柴くんに話しかける。
「あれ、アングリーたちも来てたの?
知り合いっていうかクラスメイトだよ…」
『し…柴くん何してるの?』
「何って…えっと…えっと」
八戒がんばれー、と周りが声援を送る
なんじゃこの光景。
『柴くん?もしかして女の子苦手?』
「いや!え…っと、うん…ごめん。」
『そっか、じゃあ今日話しかけすぎたよね…』
「いや嬉しかったから…全然…って、いや!
えっとごめん嬉しかったっていうのは…っ!」
「八戒きょどりすぎ。が困ってる」
な!よ…呼び捨て!
なんか心臓トクンってなった…。
『柴くんも東京卍會?の人なの?』
「あー…うん、そうなんだ。引いた?」
『え、どうして?』
「いやだって暴走族とか…怖いだろ。」
『さっきの人は怖かったけど…三ツ谷くん助けに来てくれたし。モフモフの人たちも怖くないし、何より柴くんは優しい人って知ってるから。』
問題当てられるとき起こしてくれたもんね。
優しい暴走族がいたもんだ。
「そ…っか、なら良かった。」