第7章 心酔愛(乾 青宗 / 九井一)
「好き…好きだよ」
『…無理だよ』
「俺からの好きは…迷惑か?」
『っそんなわけないでしょ!
青宗から貰う好きが…迷惑なわけ…ないよ。ただ青宗だけを選ぶことが無理だって言ってるの。はじめと3人で…いたいよ…っ』
変わらず3人でいたいとポロポロ涙を流す。そんな姿も可愛くて綺麗で…胸がきゅう、と締め付けられる。
「…綺麗だな」
『…っえ?』
「なあ、俺とココにはお前が必要なんだ。
離れていくな。俺の気持ち…受け止めてくれ。」
『っだから…!』
「付き合ってくれなくたっていい!
俺の彼女になってくれなんて言わない…。
ただ誰のものにもならないで…頼む…っ」
お前が誰かの彼女になるかもって
取られるって考えるだけで頭がおかしくなる
『…青宗』
まだ濡れている瞳を揺らしながら
の小さな両手が俺の頬を包んだ。
「…っ」
『私は…2人といたい。
離れるなんて…2人といられない未来なんて考えらんない。たとえ青宗が私を嫌いでも私は青宗のことが大好き。だからそんなに不安がらなくていい。私はずっと2人といる。』
「…俺…ごめん…っ」
思えば初めて聞いた気がする。
の心の内側を。
2人といたい
それが俺たちと同じくらいの熱量だと初めて知った。今まで聞こうとせずに自分の気持ちをぶつけてきたことを本当に申し訳ないと思った。はなりに俺たちを愛してくれていたのに。変わらず3人が一緒にいられるような距離感を保ってくれてたんだ。
それなのに俺は…
『謝らないでよ青宗…好きだよ。
伝わらないような態度とってた私も悪かった。2人が大好き…これからも私といて?』
「…っそんなん、そんなん当たり前だっ」
安心が欲しかった。
とずっといられる保証が欲しかった。
これからも私といて
俺はきっとこの言葉が欲しかった。
『青宗…わたしね』
「なんだ?」
『いつか王子様が現れて運命の人と結ばれるんだって夢見てた。もしかしたら今も。誰かを好きになって付き合って結婚して…素敵だと思った。』
「…好きなやつがいんのか?」
『違うよ聞いて』