第7章 心酔愛(乾 青宗 / 九井一)
『せ、しゅ…もうキスおわり…っ』
「だめ、まだ足りない。」
足りない…全然足りない。
1日中してもきっと足りなくて
俺はを求めてしまう気がする
『せいしゅう…!』
なかなか止まらない俺の名前を
少し怒りの含んだ声で呼ばれる。
「…好き。」
だけど怒った顔だって声だってすげぇ好き。
やっと言葉にして吐き出せた“好き”が
溢れ出して止まらない。
とココはガキのころから一緒だった。
一緒にいるのが当たり前だった。
俺は初代黒龍に憧れて2人を誘って族に入った。
だけど思ってたのとは全然違った。
俺の憧れた黒龍はこんなんじゃねえ。
だけど俺に変える力なんてない。
そんな時にが言ったんだ。
『私が変えてやる』って。
こいつはいつもそうだった。
いつだって輪の中心にいて、そこには笑顔が耐えなくて。助けを必要としている人には迷わずに手を差し伸べることができるやつ。女のくせに小さい頃から喧嘩が強かった。私の拳は守るために使うもんだって言ってた。
いつの間にかワカくんに稽古付けてもらってさらに強くなってた。俺らと違って体の軽いは蝶みたいに飛ぶんだ。そんで攻撃を受けずにダメージを与える。ほんとにワカくんみたいで綺麗な闘い方。
そんで俺とココ含め、何人かの推薦で黒龍の総長になった。それから黒龍は変わった。初代の光を取り戻したみたいに輝いてた。最初は女ってだけで舐めてるヤツもいたけど、そういうやつだって一瞬で黙らせる人柄をあいつはもってた。人を惹きつける才能があるんだと思った。
人形みたいに綺麗な顔立ちと女にしては少し高い身長。程よくついた筋肉。昔はよく痴漢とかあってて…変な男がよってこないように男避けとしてココの勧めで男装することになったけど、今度は女にもモテるようになっちまった。
俺らのなのにって。
取らないでくれって…何度も思った。
好きだって気づいたのはもうずっと前。
ココものことが好きなんだろうなってすぐ分かった。だから2人で約束した。俺たちが絶対にを守るって。俺ら以外に触れさせたくない。いっそのこと閉じ込めて誰の目にも触れないようにしたいくらいだ。俺らの…俺らのボス…俺らのモノ…。