第7章 心酔愛(乾 青宗 / 九井一)
「んじゃ、ゆっくり休んで」
『 うん、今日はありがとう
送り迎えまでしてもらってご飯代も…』
「そんなの気にすんな、またいつでもー…
ってあれ青宗のナナハンじゃない?」
『 …え?ほんとだ』
家の敷地内に止められている青宗の単車。
私の部屋の電気もついてる…
「…なんかあったら連絡して。とりあえず今は帰るけど連絡くれればザリ飛ばしてすぐ来るから。」
『 うんありがとう、そうする。』
私はワカくんの姿が見えなくなってから家に入った。
『ただいま』
「おかえり〜、青くんきたからの部屋通したわよ」
『…いつからいんの』
「えー夕方くらいかしら?お風呂も入ってもらったし、夕飯もさっき一緒に食べたから寝てるかもね。」
『ちょっと嘘でしょ…?』
「何言ってんの早く部屋行きなさいよ」
リビングからひょこっと顔を出したお母さんが青宗を家にあげた犯人らしい。早く行きなさいと急かされて自分の部屋へ向かう。
『青宗…なにしてるの』
「…おかえり」
『ただいま…じゃなくて何してるの!』
「の事考えてたら会いたくなって来たんだけどいなくて…そういえば今日ワカくんと出掛けてんのかって寂しくなったから待ってた。」
『犬か…』
「今日泊まってく」
『ちょっと何勝手に…』
「の母さんには許可貰ってる」
幼なじみってこういうとき本領発揮してくるな…
『はあ…私お風呂入ってくるから待ってて』
「うん待ってる」
ワカくんと過したオアシスのような時間が嘘みたいに青宗に塗り替えられていく。まさか家で待ってるとは思わなかったな…。
待たせる訳にもいかないし早く出よ…
部屋から適当に取ってきたスウェット生地のショートパンツとキャミソール。季節的にまだ少し寒いけど起きるといつも暑くて布団はいでるからこれでいいやって適当に着てる。