第7章 心酔愛(乾 青宗 / 九井一)
side今牛若狭
3人が帰ったあとしんちゃんが口を開く
「…お前マジで何考えてんの。」
「んー?とデートする話?」
「いやそれしかねえだろ…
青宗とはじめの顔みたかよ?」
「見た見た、ちょー怖かったよね」
「他人事かよ」
いやあ、ほんと怖かったなあ。殺気すごかった。
「でもとデートしたいしー?」
「なに、狙ってんの?」
「いやー、さすがにこんだけ歳離れてたら可愛い妹みたいな感じだよ。青宗たちはに張り付き過ぎなんだよな…。だからたまには離してみるのもって思っただけ。」
2人きりで話すだけ
ちょっと頭を撫でただけ
髪に触れただけ
それだけで感じるアイツらの視線
「にしてもあれやばかっただろ
今頃食われてんじゃねえの…なんてな」
「え、しんちゃん知らないの?」
「え…?」
「あー…まあしんちゃんにこの手の相談しても参考にならなそうだもんな…だから俺に相談してきたのか。」
がはじめて青宗とはじめにキスをされた日の夜。相談したいことがあると俺は電話で呼び出された。告白の言葉を紡ごうとした青宗を遮って『好きだって聞いたら戻れなくなる。3人でいたいから、どちらかと今以上の関係性は欲しくない。』と言ったらしい。
それから数ヶ月が経ってキスだけで収まらず、ついには体を許してしまったと困ったように笑っていた。
「えっなに?手出されてんの?」
「そんなのもうとっくだよ…」
「え…は大丈夫なのか?」
「大丈夫もなにもアイツらはがいなきゃ壊れるほどに依存してる。そんな中BDの総長もやってんだ。たまには俺たちが羽伸ばさせてやんねえと…。」
青宗とはじめは俺たちに強く反抗したりはしない。とくに青宗にとっては俺たちが憧れであり頂点だ。知った上でそれを利用するなんてひでぇ先輩かもしんねえけど…それで可愛い妹が少しでも心休まるなら利用する他ない。