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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第7章 心酔愛(乾 青宗 / 九井一)


『…青宗…と、はじめ?』

桜香ちゃんの家から真ちゃんのバイク屋までの道を歩き出してすぐ現れた2人。こんなとこでなにしてるの。

「あ、えっとこれは…っ」

『つけてきたの?』

「…うん。」

『青宗』

「はい。」

『約束したよね?なにしてるの?』

私からキスをするかわりに着いてこないと約束をしたはずだった。なのにどうしてここにいるの。私は別に聞かれて困ることじゃないけど桜香ちゃんは聞かれたくなかったはず。

「ど…しても気になって…。
男か女かも教えてくれねえし…でもココに伝えたら多分告白だって…言うから…っ。」

下を向きながら言い訳を紡ぐ青宗と
何が悪いのかという顔のはじめ

『相手が女の子だって分かったならすぐに真ちゃんのとこに帰ればよかったでしょ?どうしてここまで着いてきたの。』

「っが告白されんなら相手が男でも女でも関係ねえだろ!俺たちから…離れてかないでくれ…っ。恋人なんか作んないで…。」

『…ずっとあとつけてたのに
結果は聞いてなかったの?』

「怖くて聞けなかった…それに、あの子笑ってたし…最後家まで送るってことは付き合ったのかと…思って。」

『せっかく勇気出して伝えてくれたのに、じゃあねってその場で帰るのは冷たいかなと思ったし、桜香ちゃんいい子だから仲良くはしたいなと思ったの。だから付き合ってないよ。』

「…そうか…っ」

一瞬嬉しそうな顔をしてそれを手で隠す青宗。

『はじめもなんか言うことあるでしょ』

我関せずな表情をするはじめに視線を向ける

「…黙って着いてきて悪かった。
お前が取られるんじゃないかと思って…」

『…今回は許すけど次はないから。』

わかった、と口を揃えた2人の間に入って頭をクシャッと撫でる。これで仲直り。

「…ごめんな。」

しゅんと眉を下げる青宗。
私この顔に弱いんだよね…。
知らずにやってるから憎めない…。

『もういいって、ほら帰ろ?
真ちゃんたち待ってる!』

「うん、そうだな」

いつもと違う道を今日も3人並んで帰る。
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