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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第7章 心酔愛(乾 青宗 / 九井一)


桜香ちゃんのクラス…どこだ?

あ、あの子に聞こ。

2年生フロアの下駄箱で靴に履き替えている
男の子に聞くことにした。

『あの、キミ!』

「…っえ、3年の先輩…?」

『あれ、私のこと知ってるの?
急に話しかけてごめんね
桜香ちゃんて子のクラス分かる?』

「もちろんす有名っすから。
あー、その子ならたしか3組っす」

『有名って大袈裟な…はは
3組ね、ありがとう助かった!』

「うす!」

『キミ名前は?』

「1組の瀬口蓮です」

『レンくん!覚えた!ありがとねー!』

レン君に教えてもらった通り3組の教室へと急ぐと、1人でイスに座って待っている桜香ちゃんがいた。

『桜香ちゃんごめん!お待たせ!
ちょっと同級生に捕まっちゃって…!』

「あ…っ、せ…んぱいっ」

私を視界に捉えるなり声を震わせて
涙を流し始める桜香ちゃん。

『桜香ちゃん…?』

「ごめ…なさい、もう来ないのかと思って…ひぐっ」

『わあああごめんね!?
ほんとごめん!よし…、帰ろ?』

「は…いっ!」

青宗とはじめ以外と歩く帰り道。
いつもと違う道。少しだけ落ち着かない。

『桜香ちゃんの家の近くの公園とかで話そうか?歩きながらだと私も話しずらいしね。』

「あ、は、はいっ」

広い公園のベンチに2人で腰掛けて
桜香ちゃんが話し出すのを待ってみる。

「えと…その、手紙って…」

『読んだよ。ありがとうね。』

昼休みに貰った手紙には
やっぱり 好きです と彼女の恋心が綴られていた。

「…っいえ、私こそ…その。
機会を頂いて…ありがとうございますっ」

『返事なんだけど、今してもいいかな』

「え、あ…はいっ」

相手が誰だろうと答えは決まってる。
私は恋人を作るつもりなんてない。
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