第7章 心酔愛(乾 青宗 / 九井一)
「なあなあー?」
『なーにしんちゃん?』
「こんな年頃の美人さんがさあ
彼氏もつくらず喧嘩ばっかってどーよ?」
『そうだねー…うーん…、
黒龍歴代唯一の紅一点ももう終わりかなあ』
「まあは喧嘩強いしな。
初めてお前が喧嘩してるとこみたときはビビったなあ。いつも傷1つなく帰ってくるし…。」
『それは青宗が守ってくれてるからだよ。
私は別に強くない。総長なんて肩書きだ。』
黒龍の紅一点。
私たちの代の総長は…私だ。
青宗がやればいいのにそんな器俺にはないって
成り行きで引き受けてしまったけど女総長なんて最初は舐められたし大変だった。隊員のときすら女ってだけで舐められてたのに。それでも今は私を信じてついてきてくれる仲間がいる。
「守られてるかあ…
まあ、青宗お前のこと大好きだもんな」
『私も青宗とはじめが大切だよ。
もちろん他のみんなも大切。』
「、ちょっと来て」
『あ、うん今行く!
青宗に呼ばれたから行ってくるね』
「あぁ」
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side 真一郎
はきっと気がついてる。
気付いてて知らないフリをしてるんだろうな。
青宗とはじめがお前を想う気持ちは
お前が2人を想う気持ちとは違う。
そんな短いウィッグだってはじめに着けさせられてんじゃん。昔電車に乗る度痴漢にあったり、そういうことが絶えなかったから学校の時間と1人で出歩く時はボーイッシュに見せた方がいいって納得させてたけど…いつもアイツら2人が張り付いてて襲われる隙なんてないし並の男くらい1人で倒せんだから。単純に男避けだろ。
青宗とはじめは互いがに近づくことを許容しているけど、他の男がに近づくことは絶対に許さない。
俺やワカですらギリセーフなのか微妙だな...
2人きりで話してると必ず入ってくるんだよなあ。
それをはきっと気付いてる。
強い絆と愛ゆえの脆さ。
お前たちには変わらず3人で笑ってて欲しい。