第7章 心酔愛(乾 青宗 / 九井一)
『ねえはじめ、さっきのヤツらだれ?』
「俺もよく知らねえけど、クラスの奴がパシリにされてたから不良かなんかだろ。まあお前のこと知らなかったし大したことないんじゃねえの。」
「実際大した事なかっただろ
1人で3人転がしてんだから」
『私のこと知らないのなんて当然でしょ
学校の私と放課後の私は別だもの』
学校での私と他での私は少し違う。
学校では地毛と同じ色の男物のウィッグをつけている。だけど制服は女子用だし、はたからみたら超ボーイッシュな女の子ってとこかな。
「まあ、なんにせよは俺らのことになると歯止め効かなくなる時あるから...あの時俺が来なかったら今頃アイツら病院だ。」
『だって!はじめは喧嘩弱いじゃない!
しかもこんな綺麗な顔に傷がついたらどうするの!』
「綺麗って…お前が言うかよ…」
『ん??』
「は女の子なんだしもっと自分を大切にしろ。それにはどんな女より綺麗だ。」
『青宗ってば過保護〜!そゆとこ大好き〜』
毎日3人で並んで同じ所へ帰る。
バイク屋。私たちの溜まり場。
「ここお前らの家じゃねーぞー笑」
『しんちゃんただいまー!』
しんちゃん。真一郎くん。
私たちの族の初代総長。私の憧れ。
「はいはい、おかえりー
ウィッグは?とるの?」
『うん、もう学校じゃないしとる〜』
「はーい、って俺オイルで手汚ぇや、、
ワカー!のウィッグ取ってやって!」
「んー、はいとるよー。
いつ見ても綺麗なストレートだね
いつもおろしてればいいのに」
『ありがと若狭くん。
私もほんとはおろしてたいんだけど…
ほら、いろいろあったし今はまだ、ね?』
「まあそれもそうか。
でもってほんと顔整ってるし女子の制服着ててもモテるだろ?女からモテそーだよな。運動神経いーし。」
『モテる。すごくモテる。
私の女の子人気超絶ある。』
「はは、自分で言うのかよ!」
バイクをいじりながら笑うしんちゃん。
『だってほんとだもん!』
「いや真一郎くんこれ本当に…人気えぐいんですよ」
『ほら!』
ほらね?青宗だって言ってるじゃない!
「わーったよ笑」
平均より高い身長
よく褒められる整った顔立ち
運動神経の良さ
女からモテる女とは私の事よ!