第6章 狂おしいほど愛してる②(梵天)
うぅ…んー、あれ…朝?
あの後何回シたか分かんないな…。
「ん、はよ。」
『はるくんおはよう。
ごめんね起こしちゃった?』
「いや別に。…体平気か?」
『なになに春くん、反省してるの?』
「…まあ、さすがに激しすぎた自覚はある」
『久しぶりで嬉しかったよ。体も大丈夫。
ガウン着せてくれてありがとう。
もしかしてお風呂も入れてくれた…?』
綺麗に着せられたガウン。
ベタつかない肌。春くんてば世話焼きだなあ。
「あのまま寝かせられるわけねーだろ。」
『ふふ、ありがとう春くん』
まだ起きるには少し早い時間。
春くんに抱きついてもう一眠りしようと目を瞑ると
ガチャ
「いるか?」
『ちょっとマイキーノックくらいして!』
確認もなしに開いた扉から現れたマイキー
「別に見られて困るもんじゃねえだろ」
『困るよ!恥ずかしい!マイキーのばか!』
「悪かったよ。」
『もう!それでなに?私に用?』
「あぁ、昨日の件で」
「俺席外しますね」
「いや、三途もいてくれて構わない。」
ベッドを抜けて部屋を出ようとした春くんを
引き止めるマイキー。昨日のことって…あぁ、あの太客さんのことか。マイキー随分怒ってたもんなあ…。
「お前昨日媚薬盛られたんだろ?」
『んー、うん。けど今は抜けて何ともないし…』
「九井と鶴蝶がいなかったらどうしてたんだ」
『…っそれは。』
「俺言ったよな?
お前を大切にしないやつに身体許すなって」
『言った…覚えてる。
でも身体許したわけじゃない…もん。』
怒っていると言うよりかは心配そうな表情。
「あぁわかってる。
でも次…同じやつがお前に手を出したら
俺はアイツを確実に消すからな。」
『…わかったよマイキー。
私のために怒ってくれてありがとうね』
あの人たちの命のためにも気をつけないとな。
気持ち悪かったけど殺されるほどの罪でもない。
「じゃあ…話はそれだけだから。
邪魔して悪かったな三途。」
「え、いや俺は別に。」
「…こんなとこまで連れてきた俺が言うのもアレだけどさ…自分を大切にな。」
『わかってる。ありがとう。
愛してるよマイキー』
「ふは…うん、俺も愛してる」
家族愛みたいな…それに似た愛情。