第6章 狂おしいほど愛してる②(梵天)
『なんか…目覚めちゃったね』
「そうだな。早いけど起きるか?」
『うん、そうだね起きようか』
クローゼットから適当に取り出した春くんのスウェットを借りて二人でリビングへむかった。
「ぶっかぶかだな」
『えっとなんだっけこれ、えっとー…彼シャツ!
えへへなんちゃって…?』
「…お前襲われてえの?」
『なんでそうなるの!もう!』
「あ、そういえばお前に渡したいもんあんだよ
ソファでも座って待っとけ」
私をソファに座らせると自分の部屋へと戻っていく春くん。渡したいものってなんだろう。
少したって戻ってきた春くんの手には
小さな紙袋がひとつ。
「これやるよ。
昨日うまそうなチョコの店見つけたから。」
チョコ好きだろ?って差し出された紙袋を受け取る
『チョコ大好き!わあ…嬉しい!
ねえ開けていい?』
「お前のなんだから好きにしろよ」
紙袋の中にある箱を取り出してリボンをとく。
2段に別れていて中にはいくつものチョコレートが詰まっていた。見たことない形や色のものもある…キラキラしてて綺麗だな。
『こんなにたくさん…嬉しいなあ』
「何がいいとか分かんねえからさ」
『大事に食べる!ありがとう春くん!』
「ん、その笑顔が見れりゃ俺は満足だよ」
皆が起きてくるにはまだ早い時間。
マイキーもきっと二度寝してるだろうな。
『コーヒーいれるね』
「ん、さんきゅ」
あたたかいコーヒーと春くんのくれたチョコレート
たまにはこんなまったりした朝もいい
私はこれからも梵天で唯一の“女”として生きていく
こんな世界でたった一つの私の居場所
何もかも忘れてしまうほどゆっくりとした時間
私の大切な人たちと
この先も過ごせますように
to be continue…