第6章 狂おしいほど愛してる②(梵天)
シーツをきゅっと掴んで涙目で顔だけを俺に向ける。んな顔したって煽るだけだっつーの。
「どーした?顔まっかだなぁ?」
『んっ、はる…くん激し、いっ』
「激しくされんの好きだろ?」
『あっんぁ、す…きっんンッ』
揺さぶられる小さなカラダ。
綺麗な背中に舌を沿わせれば聞こえる甘い声。
『ひぁ…っま、ってそこ…やぁっ!』
くすぐったいのか身をくねらせて逃げようとするから片腕で捕まえて動きを封じると小さく痙攣して快楽を全て呑み込んでいく。もうやめて、と涙目で訴える表情が堪らない。
「すげえ綺麗だよ」
真っ白な背中に吸い付き花を咲かせていく
『…ん、ちょっと春くんっ?』
「お前のカラダ白いから目立つよなぁ」
『も…はじめくんに怒られる…よっんん!』
「あ?なんで九井がでてくんだよ
あいつ関係ねぇだろ。お前今誰に抱かれてんの?」
たしかに跡を残すと九井がうるさいのは分かってる。あいつも大概に惚れ込んでるから。だけど今は聞きたくなかった。こいつの事になると俺は自分が自分でなくなる。いや、これが俺なんだろうか。初めての感情に苦しくなる。
なのに
『…っはるくん…とシてます…っ』
「だよな?他の男の名前出すんじゃねえよ」
俺とシてると紡いだの声が愛おしくて仕方ない。もっと呼んでくれ。
『んっはぁ、はるくんと…シてるっ』
ガツガツと突かれながらも
吐息と一緒に吐かれる俺の名前。
「はあ…っもっと呼べよ」
『はるくん…っはるく、んっ』
「ん、…」
認めたくなかった。
認めたら苦しくなるから。
お前しか見れなくなるから。
だけどもう
引き返せないよな。
1人の女のために仕事早く切り上げたり
その為に前日に詰め込んだり
喜ぶ顔が見たくてプレゼントを買ったり
早く帰ってきて欲しいと不安になったり
その瞳に俺だけを映して欲しいと願ったり
きっとずっと前から分かってた
けど気付かないふりをしていた
けど意識した時点で負けてんだ。
俺お前が好きだよ。