第6章 狂おしいほど愛してる②(梵天)
ようやく着いたころには風が通り抜けるだけで反応してしまうほどになっていた。早く…早く春くんのとこに行きたい。
「大丈夫…じゃないな。
部屋まで連れてくから俺に運ばせて?」
『大丈夫…ひと、りで行ける…っ』
「…芹沢、の荷物頼んだ。
俺はこいつ部屋に連れてくから。」
「はい、承知致しました。」
「おい、鶴蝶俺が行く」
「お前そのまま襲うからダメ」
「…っ」
「今日はもう諦めろ。」
「…わかったよ。」
くるりと背中を向けて不服そうなはじめくんは
マンションへと消えていった。
『ごめ…カクちゃん…っ
迷惑かけちゃってる…』
「え?いやそんなん全然。
今日は三途の部屋でよかったか?」
『え…知ってたの?』
「三途の機嫌の良さてきにそうかな、と」
『ふふ、さすがカクちゃんだね。
うん、春くんのお部屋までお願い。』
「はい、お姫さま。」
カクちゃんに抱きかかえられて春くんの部屋に入ると、まだ春くんは戻って来ていなかった。とりあえずベッドに降ろしてもらって待つことにする。
「飲み物いるか?」
『あ、うんお願いしてもいい?』
「待ってて」
私の頭をふわりと撫でてカクちゃんが春くんの部屋からでていく。少しして戻ってきたカクちゃんの手には飲み物が数本。
「水とお茶と、これはが好きなココアとこっちは抹茶オレね。全部置いてくから好きなの飲んで。」
『これ…カクちゃん私の部屋まで取りに行ってくれたの?』
「え?ううん、俺の部屋の冷蔵庫はの好きなもん常に入ってるからな。いつでもおいで。」
『もう…好きぃ〜〜っ!』
上半身を起こしてカクちゃんの腰に抱きつけば
呆れたように笑ってまた頭を撫でてくれた。
確かにいつお邪魔しても私の好きな物がある。
私が常に自分の部屋にストックしてある飲み物と同じだったから、てっきり私の部屋まで取りに行ってくれたのかと思ったら…カクちゃんはなんて優しいんだろう。
「じゃあ俺は三途帰ってきそうだしそろそろ行くけどなんかあったら呼んで」
『うん、ありがとカクちゃん』
「ん、」
パタンとドアが閉まると同時、1人になったことで体の疼きを鮮明に感じる。もう下着が意味をなさないほどに濡れていることなんて随分前から気がついていた。