第6章 狂おしいほど愛してる②(梵天)
「ほほぉ…なるほどぉ」
先程よりもさらにニヤついた表情
「その綺麗なカラダを夜な夜な捧げているのかね?」
は?何を言っているのこの人は。
『はい…?』
「こーんだけ綺麗なカラダなんだからなぁ
使わない方がもったいないだろう?んん?
それともなんだ、おじさんが使ってやろうか?」
『ははは、私なんかではお客様を満足して差し上げられないですよ〜』
当たり障りのない言葉で。
笑顔は崩さず。この人はお客様…。
「ん〜いやいやぁ、ちゃんみたいな綺麗な子と寝られるだけで男は幸せってもんだあ、なあ?」
太めの男が細身の男に話を振る
「ちゃん白くて綺麗で美味しそうだしねぇ、どう?俺たちと抜けて3人でイイコトしにいくかい?」
行くわけないでしょう。
オーナー口説いてどうするのこの人たち。
『残念ですがこの後も仕事が残っておりまして。』
まあこのまま直帰だけれども…!
「仕事なんてちゃんの両脇に座ってる男に押し付けてイイコトしようよぉ〜?ぜーったい気持ち良くするからさあ〜っ」
このお店にとって立場が上なのは私なんかじゃなく、紛れもなくはじめくんとカクちゃんなのに。なんて失礼なのこの人は。
2人をバカにされた気持ちになって
言い返そうとしたとき
「…申し訳ありませんが。
彼女はボスのお気に入りなので」
ずっと黙って見ていたカクちゃんが口を開く
「そ、そうか…それは残念だ。
あぁでも…隣に座るくらい許してくれるだろ?」
ボス(マイキー)のお気に入りだと聞いてすぐに大人しくなった2人。お持ち帰りは諦めるから隣に…まあそれくらいいいか。
『はい、それなら喜んで』
大丈夫よ、と2人に視線を送り
お客様の間に腰を降ろした。
「ん〜っ近くで見るとさらに綺麗だねえ〜」
そう言って私の太ももに手を置く細身の男。
「髪の毛もサラサラだねえ〜っ」
反対側に座る太めの男は私の髪に手櫛を通している。気持ち悪くて仕方ない。ボーイの子が言う通りかなり触れてくるタイプのお客様だなあ。
「ほら、これ飲みなあ…??」
そう言って勧められたのはこの店でも
かなり高い方のお酒。
『…私が頂いていいんですか?』
「ちゃんのためにいれたんだよお〜?」