第6章 狂おしいほど愛してる②(梵天)
コンコン
「、そろそろ出るぞ」
『あ、うんっ』
扉の向こうから聞こえる鶴蝶の声。
がここにいんのバレてんのか
「もう行くのか…?」
夜も一緒に過ごせるのに名残惜しくて
小さな体をきゅっと抱きしめる。
『春くんもお仕事でしょ?一緒に出よ!』
「…わかった。じゃあこれだけ…」
『んぅ…っはる…っはるくんっ』
「ん、ごちそーさん」
綺麗な唇を食べるようにキスをしてから
体を離して部屋のドアを開けた
「お、三途か」
「あ?俺の部屋から俺が出てきちゃおかしいかよ?」
「いや、てっきりが出てくるかと」
「あいつももう出てくる
んじゃ、クソに近づけんなよ」
「クソって…一応客な?
まあそこらへんは俺と九井に任せろ。」
「ん、」
マンションを出て部下の運転する車に乗り込む。
今日も昨日に引き続き望月と一緒だったっけ。
まあ誰と一緒でも変わんねえか。
「おう、待たせたな三途。行くか。」
少しして乗り込んできた望月と
対象を閉じ込めてある倉庫へ向かう。
「俺今日は途中で帰っからあと頼むわ」
「なんか予定でもあんのか」
「」
「あぁ。だから昨日の仕事量増やしたのか。
まあ…わかった。
どうせ帰りはバスソルト買うんだろ」
「なんで知ってんだよ気色悪ぃ。」
「お前が仕事早く切り上げる日はだいたい機嫌良いし同じ店で同じバスソルト買って、そういう日は絶対がお前の部屋にいるからな。」
くっそバレてんのかよ…はず。
「…俺そんな分かりやすいかよ」
「いや、そんなことねえけど…まああれだ。
機嫌いいっていうか薬キメてねえよな。」
「…そう、だな。」
自分でも気づいていた。
アイツがそばに居てくれる日は薬がなくて平気だし、それにいつからかキメてるとこを見られたくないと思うようになった。だからアイツとの約束がある時はキメないし、俺である自分でアイツを感じたい。
「まあ…さすがってとこか?
アイツは俺らの姫みたいなもんだしな」
「あぁ、アイツには適わねえよ」
今日はさっさと終わらせてさっさと帰ろ。
んでちょっと部屋整えてアイツのこと待つか。
らしくなさすぎて笑えてくるけどな。