第6章 狂おしいほど愛してる②(梵天)
「…」
『な…に、いきなり!』
「鶴蝶と九井について店まわんのか?」
『え、うん、そうだよ?』
あれ、なんか不機嫌…?
「…っ帰ってくんのすげぇ遅いヤツじゃん…。」
『わたし春くんとの約束忘れてないよ?
夜は春くんと過ごすから早く戻るつもりだし』
「俺今日の夜すげぇ楽しみで…今日の分の仕事昨日のうちに半分くらい片付けた。俺も今日は夕方までに戻るからさ…早く帰ってきてくんねぇかな。」
あらら、甘えん坊春くんの日だ。
竜くんに影響されちゃったかな…?
なんて言ったら怒るから言わないけれども…
『うん、分かった なるべく早く戻るよ。
昨日頑張ったんだね、春くん偉いね。』
「ん…俺偉い。だから夜たくさんご褒美くんね?」
強引に部屋に引きずり込んできた人とは思えないほど甘い声色。ベッドに沈んだ春くんがベッドサイドに立つ私の腰に抱きついて強請る。こういうギャップに私が弱いって分かっててやってんのかな。
『それも約束する。
だから今日もお仕事頑張ろうね。』
「うん…さっき強く引っ張って…悪かった。」
『分かってるならよし。』
「仕事昼からでしょ
…それまでここいて。」
『いいけど…春くんは?』
「俺も昼から行く。
昨日半分片付けたし平気。」
だからここにいて、まるで子供のようにそう呟く。
『なんかあったの?』
「今日の朝…竜胆とシた?」
『いや、起こしただけだけど。』
「…そっか。」
『え、どうしたの?』
春くんがこんなこと聞いてくるのは初めて。
「朝…竜胆がお前の手握ってリビング入ってきた時、俺なんかすげぇ嫌で…甘えてきて困るって言ってたから…シたのかと思った。」
『春くん…ヤキモチ?』
「……。」
黙り込んだ春くんが私を抱く腕に力を入れた。
「ダセぇこと言ってんのは分かってる…」
『全然ダサくないよ?私嬉しいよ。
今日の夜はたくさんお話しようね〜よしよし』
「今日はさ、久しぶりに一緒に風呂入んね?」
『仕方ないなあ〜』
「お前の好きなバスソルト用意しとく。」
『え、ほんと!早く帰ってくるね!』
「あぁ」