第6章 狂おしいほど愛してる②(梵天)
「ちゃん」
『んー?』
「俺このハンバーグ好き。美味しい。」
何を言い出すのかと思ったらご飯の感想。
こういうことを素直に言ってくれる竜胆くん。
『竜くんはそういうの素直に言ってくれるから嬉しいなあ。』
「だってうまいもん。」
「」
『んー?』
「俺…俺このスパゲティ好き。」
『なに春くん、いつもそんなこと言わないのに』
きっと竜くんに対抗したんだろうけど
少し耳を赤らめて言うもんだから意地悪したくなる
「俺が言ったら変かよ…っ」
『んーん?嬉しくてニヤけちゃう』
「…んならいいじゃねえかよ。」
『ふふ、ありがとっ』
皆が食べ終わった頃、ガタッと席を立ったカクちゃんが私の食べ終わったお皿を自分のものと一緒にさげてくれた。
「俺片付けるから座ってて」
『え、いいよ!
カクちゃん最近忙しかったでしょ休んでて!』
「毎日毎日俺たちの好みに合わせて飯作ってくれてんだろ?そんなん誰にでもできることじゃないよ。日頃の感謝、たまには受け取れって、な?」
『うう…カクちゃん好きーーーっ』
席を立って食器を洗い始めたカクちゃんの背中に抱きついた。「はいはい」と呆れたように笑って、ひっつく私に構わず洗い物を進めていく。
「おし、終わり。
今日は?」
『ありがとねカクちゃん。
今日はえっとね…何しようかな?』
「…俺と一緒に来るか?ココもいる。
別に危険な任務でもねえし…どうする?」
『うん行く!カクちゃんと仕事久しぶり!
はじめくんが一緒なの珍しいね〜』
「今日は店回るからな。」
梵天が所有、経営する店…所謂高級キャバクラ。
売上とか現状確認ってやつかなあ。
女目線で女の子のケアとかできたらいいな。
「昼過ぎに出るからそれまで休んどきな」
『分かった、ありがとうカクちゃん』
カクちゃんの背中から離れて自室へ向かう途中
後ろから追いかけてきたであろう誰かに腕を掴まれ、そのまま部屋に引きずり込まれた。
『…ここの部屋って…はる…っン!』
私の腕を掴んだ人物の確認すらできないまま
強引に唇を奪われた。息継ぎすら許さないキス。
「…っっ」
私の名前を何度も呼びながら
キスを繰り返すのはやっぱり春くん。
『は…っるくん…っ!』