第6章 狂おしいほど愛してる②(梵天)
リビングへ向かうと皆はもう席に着いていた。
「遅かったな。
竜胆がぐずったか?」
『ほーんと竜くん甘えん坊で困っちゃう』
ほんとに珍しく自分で起きてきたマイキーは
お子様ランチが早く食べたくて仕方ないらしい。
「きっも。」
「おい三途聞こえてんだよクソピンク頭」
「あ?キモイからキモイって言ってんだよ
クソクラゲ野郎が」
『ちょっと春くん朝から突っかからないの』
「俺が悪ぃのかよ!」
『春くんが悪いでしょ?
言わなくていいこと言わないのおバカさん』
今日も朝から始まる灰谷vs三途の言い合い。
竜くんか蘭くんどちらかと毎朝毎朝…。
「…早く食べたい。」
マイキーの頭にはお子様ランチしかないらしい。
『ごめん、すぐ用意する!』
皆が揃うまで保温していたものを
プレートに乗せれば完成…っ
「手伝うよ」
『武ちゃん?ありがとう助かるよ』
「これお子様ランチ?朝から?
…あぁマイキーか。」
『うん、今日は朝からお子様ランチの気分だったみたい。マイキーの分だけ旗つけるから先にこっちのやつ運んでもらってもいい?』
「おう。いつも飯ありがとな。」
改めて言われるとジーンとくる。
武ちゃんも私と同じくマイキーのことを昔からよく知ってる。お子様ランチを見て呆れたようにため息をついているけどブツブツいいながら皆の待つテーブルに運んでくれる。
旗を立てたお子様ランチをマイキーの元へ持っていくと パァっと明るい表情を見せてくれた。
『どう?ちゃんとお子様ランチになってる?』
「うん、これが食いたかった。旗まで…。
さすがだな…ありがとう。」
『どーいたしまして!
マイキーが喜ぶならいくらでも作るよ』
「ふは、ほんと俺お前がいれば生きてけるよ」
悲しげな笑顔をしたマイキーに何も言えなくて
頭を撫でてから私も席に着いた。
皆お子様ランチに疑問を持ちながらも
何も言わずに食べてくれる。
「…なんでボスだけ旗ついてんだ」
一番最初に口を開いたのははじめくんだった。
『旗ついてないと食べてくんないのよ』
「いやいや子供じゃねんだからそんなこと…」
『あるのがマイキーなの』
「…ウス。」