第6章 狂おしいほど愛してる②(梵天)
「なあ…」
『なに?』
「今日の朝はオムライスが食べたい。」
『え、朝から?』
「うん。ちゃんと旗のついたやつ。」
『お子様ランチじゃなくていいの?』
「…作ってくれんのか?」
『ふふ、うん。いいよ作ろうか。
朝だけどお子様ランチ!』
「はは、ありがとうな。」
まだ薄暗い部屋の中。
もう少しだけ寝る、と目を閉じたマイキーの頭を撫でて暫くすると小さな寝息が聞こえてきた。
なんかもう目覚めちゃったな…
マイキーと一緒にもう一度寝ようかと考えたけれど
なんだかもう眠れる気もしないし…
少し早いけど朝ごはんの準備でもしようかな。
マイキーの腕から抜け出してリビングへ向かうと
ソファで倒れ込むように眠る蘭くんがいた。
自分の部屋から布団を持ってきてそっとかけると
んー…、と唸って寝返りを打つから
起こしてしまったのかと一瞬焦る。
いつもはふざけた口調で皆に絡んでるけど
黙って寝てると本当に綺麗な顔。
昨日の任務は相当キツかったと聞いてるから
部屋にたどり着く前に寝ちゃったんだろうな…。
『ネクタイ…苦しそうだな。』
キュッと締まったネクタイが苦しそうで
思わず蘭くんの首元に手をかける。
「…えっち♡」
『わ…っ!』
「寝込み襲うとか蘭ちゃん興奮しちゃうな〜」
『っ起きてたの?』
「んーん?今起きた。
苦しそうだから緩めようとしてくれたの?」
『あ、うん。』
「布団もでしょ、ありがとう」
『蘭くんこそ昨日はお疲れさま。』
「んーほんと疲れた。が癒して?」
『これから朝ごはんの準備するからだーめ。』
「ちぇー。てか準備早くない?」
癒してよ、と目と鼻の先に顔を近づけた蘭くん。
これから起こることなんて分かりきってる。
でもここはリビングだし、いつ誰が起きてくるかわかんない。それに朝ごはんの準備をしたくて来たんだから…と蘭くんを振り切ってキッチンへと向かった。
『んー目覚めちゃったし…
それに今日は少し時間かかりそうだからさ』
「そっか。」
『蘭くん部屋で寝ないの?』
「んー?いや俺も目覚めちゃったしいいや。
風呂入ってくるね」
『そっか、うんいってらっしゃい』
お風呂に向かった蘭くんを見送って
私はまた準備を進めた