第5章 王様ゲーム (東京卍會)
隆くんに起き上がらせてもらってからベッドにもたれるようにして床に座る。それから割り箸を引いて確認をするけどやっぱり王様ではない。
[2番]かぁ。んあぁ〜体に力入らない。
「大丈夫か?
ここ座るか?」
体に力が入らずユラユラと揺れてしまう私に隆くんが足の間をトントンと叩いて私の顔をのぞき込む。
『んん…そーする。』
「ん、おいで。」
隆くんの足の間に座って体重を預けて王様の命令を待つ。
「王様おれー」
賢ちゃんか。変なのはやめてー!
「えっと、あー、2番が一虎呼んで」
『ん…またわたしらぁ…。
カズくん呼んだらいーのー?』
「が呼べば来るだろ?
アイツどうせ暇してるし呼ぼうぜ」
『わかったぁ〜電話かけるね〜』
「あ、なあなあ!
俺らいるの内緒にしてよ!」
「あ、スピーカーにしてくださいね」
『ん?うん、わかったよ〜っ』
この部屋には今私しかいない事にして一虎くんを呼び出してほしいという万次郎くんとスピーカーにしろと言う千冬くんに若干の疑問を抱きつつ電話をかける。
プルル…
ワンコールもしないうちに切れた電子音。
そのかわりに聞こえてくる明るい声。
「っ!もしもし??」
『カズくんもしも〜しっ』
「なになにどーしたの?
から電話とか珍しんだけど!」
『あのねカズくん、今何してる?』
「今?とくになーんもしてねえよ!
てかこそこんな夜中に何してんの?
眠れない?あ、俺に会いたくなっちゃった?」
時刻は夜中の2:00を回ったところ。
カズくんは夜更かしさんだな。
『んとー、うんそうっ
カズくんに会いたくなっちゃった。』
「ま、じで…?
うわ待ってやばいもっかい言って…。」
『カズくんに会いたくなっちゃったの。』
「ん…やば。すぐ行く寝んなよ!」
すぐ行くと言い放ったカズくんの言葉を最後にツーッツーッと切り替わった電子音が通話の終わりを告げる。
「っはは!一虎やっべえな
電話でんの早すぎだし声のトーン明るすぎだし
のこと大好きすぎだろ笑」
『カズくんすぐ来るって良かったね』
「あいつ来たら絶対キレるよな!」
「そりゃそうだろ、2人きりじゃねえんだもん笑」