第5章 王様ゲーム (東京卍會)
「おーさまだーれだっ」
「おれー」
『賢ちゃん変なのやめてねー』
王様を引いたのは賢ちゃん。
変な命令はないと信じたい。
「じゃあ席替えしよーぜ
もっかい割り箸引いて番号順な」
さすが賢ちゃん!こういうの待ってた!
「え…っ」
『え?どうしたの千冬くん』
「うぅ…せっかくちゃんの隣なのに。」
えぇ…かわいい。
ピッタリとくっつけていた体をさらに擦り寄せて腕を絡めてくる千冬くん。そんなこと言われたら移動すんのが惜しくなる。
可愛すぎて思わず頭を撫でていると
席替えのくじ引きが始まった
私が引いたのは[3番]。
隣に座る千冬くんが割り箸を引いてすぐ
「ちゃん何番すか?
俺2番っすけど…っ」
不安げな声で聞いてくる
『あ、私3番だよ!
また隣だね千冬くんっ』
「え、まじすか!?
やっったあ!運命ッスかね?へへっ」
こんな事でこんなに喜んでくれるなんて…
さっきまで離れちゃう、と落ち込んでいたのが嘘みたいに嬉しそうな表情の千冬くん。
たまたまもう一度隣同士だった私と千冬くんの位置を基準に他の5人が移動し始める。
「お、俺の隣だ」
『隆くんだぁ〜っ』
「おい千冬近すぎね?」
「俺ちゃん大好きなんで!
それに近くいると頭たくさん撫でてくれるし…」
「にしても近ぇだろ…」
近くにいると頭を撫でてくれる、か。
確かにそうかもしれないな。
猫みたいに擦り寄ってきて撫でたくなる。
隣に腰をおろした隆くんが私の腕をクルっと内側に返してそこに付いている印を指でなぞる。
「ん…良かったまだ残ってる。」
『隆くんがコレ付けたの2日前だよ?
そんなすぐ消えませーんっ』
「消えたらまた付けるだけだけどな」
『いつもココに付けるのなんで?』
「好きだから。いつも言ってんだろ?
が好きで仕方ねえって意味。覚えとけ。」
『は、ずかしいよ!』
「聞いたのそっちだろ?
照れんなよ、ははっ」
そう言って笑った隆くんは
私の腕に新しい印を残した。
『ん、またっ!』
「好きで仕方ねえから付けちった」
「おいそこイチャついてねえで
ゲーム再開すんぞ〜」