第5章 王様ゲーム (東京卍會)
「んー、めちゃくちゃ前だけどやったことあるよな?王様引いたやつが適当に番号指名して命令するやつね!王様の言うことは絶対!前やったときはなかったけど、もう俺達も大人だし今回はえっちぃのもアリで!」
最後の衝撃的な一言に
みんなの目の色が変わる。
『え…と、これって全員参加?』
何となく嫌な予感がする。
「全員強制参加。いなきゃ意味ねぇから」
『な…、変な命令はナシだよ!?
賢ちゃんもなんとか言って!』
「んー?まあいったんやってみよーや」
頼みの綱だった賢ちゃんもノリ気らしい。
「はい、引いて引いて〜」
有無を言わせない万次郎くんの強引さに渋々割り箸を引く。私が引いたのは王様ではなく〈5番〉。
「おーさまだーれだっ」
「俺っス!」
万次郎くんの掛け声に手を挙げたのは千冬くん。
「んー、3番が6番の頬にキス!」
よ…よかった…!
てか千冬くん初手から攻めすぎでしょ…!
「うわ、俺3番!
6番だれ!こわい!」
「…俺6番…。」
3番を引いてアワアワとしているのは八戒くん。
6番を引いてため息をついているのは隆くん。
「なんだ、タカちゃんかっ!」
なんだ!と余裕の八戒くん。
まだため息が止まらない隆くん。
『ははは、早くちゅーしなよ八戒くんっ』
「おまえ…っ!」
「はい、タカちゃん逃げないでこっち向いて!」
「おい絶対口にすんなよ!?
頬だかんな!?」
「わーかってるよ!ほら、タカちゃん!」
隆くんの頬に手を添えてチュ、と触れるだけのキスを頬におとす八戒くん。なんだか見てはいけないものを見てしまった様な気持ちになる。
「あーもー、次!」
嫌がってたくせに次やるんかいな!
って思ったのは内緒。
「どんどんいくよーっ!
はい、おーさまだーれだ!」
私が引いたのは〈3番〉。
「あ、王様おれ!」
王様を引いたのは万次郎くん。
目が引くほどキラキラしている。
「えー、1番と2番がコンビニいって
みんな分の酒とツマミ買ってきてください」
『おー、すごいただのパシリだあ』
気だるそうに立ち上がった
1番の賢ちゃんと2番の圭介くん。
部屋を出ていく2人を見送り、
残った私達は昔話に花を咲かせた。