第5章 王様ゲーム (東京卍會)
「ちゃんお邪魔しまーす
久しぶりだね、会いたかったぁ」
そう言って私の隣に腰をおろして首筋に鼻を擦り寄せる八戒くん。背が高くてイカつい見た目なのに甘えん坊で可愛いんだよなあ。THE末っ子!みたいでつい甘やかしたくなる。
「おいおい八戒こっちこい。」
「えータカちゃんはいつでも会えるから
今日はちゃんの隣がいい!」
モデルをしている八戒くんとデザイナーをしている隆くんは一緒に仕事をすることも多いらしい。
「女苦手なくせににだけは懐いてんのな」
「ちゃんは特別!
ほかの女の子はムリ慣れない!」
『はは、可愛いな八戒くんはー!
嬉しいよぉ〜よしよし!』
「うわ、八戒ずりぃ!
ちゃん俺も!」
圭介くんの隣に座っていた千冬くんが
八戒くんとは逆隣に腰をおろして私の耳を甘噛みする。
『ん…こら千冬くん…っ』
まだ熱をもったままの体がピクっと反応してしまうが、誤魔化すように千冬くんのサラサラした髪を梳かすように撫でる。
「俺ちゃんに撫でられんの好き。
もっとしてください…俺いい子っすよね?」
『ん、いい子いい子。可愛いなぁ。』
綺麗な翠色の瞳に見つめられたら
誰だってドキドキするよね。
「おい千冬ぅ戻ってこい」
「俺も今日はちゃんの隣がいいっス」
やれやれという顔の圭介くんと隆くんをよそに
甘えん坊な八戒くんと千冬くん。
可愛くて仕方なくて昔から甘やかしてたなあ…
それをいつもいつも 「離れろ」 って
引き剥がされてたっけ。懐かしい。
「あー、てかただ集まるためにコイツら呼んだのか?」
「お、そうだったけんちんっ
皆で王様ゲームしよーぜ!」
『おーさまゲーム?
割り箸引いてやるやつ?』
むかーしに皆でやったっけ?
「うん、それ!やろーよ!」
「へー、いいじゃんやろーぜ」
圭介くんが立ち上がってキッチンに置いてあった割り箸を人数分とって戻ってくる。マジックペンで番号をかいて一つだけ先っぽを赤く塗る。
「おし、できた!」
「おー!さんきゅ場地!」
子供みたいに目をキラキラさせた万次郎くんが
ルール説明を始めた。