第4章 好きです先生②(松野千冬)
ジャーっとシャワーを頭からかけられて、ちゃんの小さな手が俺の髪に水を馴染ませるように触れる。シャンプーするねって俺の目の前にあるシャンプーのボトルに手を伸ばしたちゃんが前かがみになって…キャミの中が見えそうだ。瞬時に視線を反らせて別のことを必死に考える。
『千冬くんとお風呂久しぶりだね
昔はよくこうやって洗ってあげてたっけ』
「あ、うんそうだね。懐かしい。」
ちゃんの声で意識を引き戻されて目の前の鏡を見ると泡だらけになった俺の頭で遊んでいる。
『千冬くんみてみて、ピコーンッ!』
全部の髪の毛をてっぺんにもってきて大きなツノを1つ作って嬉しそうなちゃんと鏡越しに目が合ってドキっとする。
「はは、昔はよくやってたよねこういうの」
『うんやってた!懐かしいなあ!
そう考えると大きくなったね千冬くんっ』
「だろー?」
暫く俺の髪の毛で遊んだあと、ジャーっと泡が流されていく。コンディショナーのポンプに手を伸ばしたちゃんの手にとろっとした白いものが1プッシュ。モノは違えどアレに良く似ていてイケナイ考えが頭をよぎる。
『千冬くんの髪の毛綺麗だねえ』
コンディショナーを俺の髪に伸ばしながら質感を確かめるように優しく触られて心地がいい。
「そー?でも俺染めてるからなあ」
『金髪すごい似合ってる
ほら、私ずっと黒髪だから憧れる』
「染めねーの?」
『んー、似合うかなあ?』
「なんでも似合うだろ。
でも俺は黒髪のちゃんが好き。」
『そっか、じゃあこのままでいる。』
昨日も俺が言ったから髪切らないとか、今も俺が言ったから髪染めないとか。ほんと期待しちゃうから…俺まだガキだからさ。
泡立てネットにボディーソープをたらしてモコモコと作られた泡で俺の背中に触れた小さな手に情けなくピクっと反応してしまう俺の体。
『わ、ごめん!くすぐったかった?』
「あ、いやごめん。大丈夫…っ」
どんどん熱くなる体と反応しだす自身。ちらっと下半身に目をやると、とっくにタオルなんかじゃ隠せなくなっていた。幸い俺の背に回っているちゃんはまだ気づいていないけど…。バレたらどうしよう…っ。