第4章 好きです先生②(松野千冬)
ご飯を食べ終わり、俺と自分の食器を運ぶちゃんの手から食器を奪ってシンクへと運ぶ。気遣わなくていいのにってクスッと笑った顔が可愛くてきゅんとする。
「俺洗うから座っててよ」
『優しいね千冬くんは』
「してもらってばっかの俺じゃない!」
なんでもかんでも手を差し伸べて貰ってばかりだった小さい頃とは違うんだぞって、1人の男として意識してほしかった。
水道の水を止めると気づいたちゃんが俺に声をかける。
『千冬くんお風呂入ってきたら?』
「あー…うん、あのさあ」
『うん?』
「い…一緒に入らない?」
ポカーンとした顔で俺を見つめてから
『え、あ、えっと…えっと…』
口をパクパクして動揺している様子のちゃん。もしかして男だって意識してくれてる?小さい頃は何度も一緒に入った事あるけど、この歳になってからは無い。
「…だめ?」
『だめっていうか…千冬くんもう大きいし…っ
千冬くんが嫌じゃないの…?』
「俺が?昨日の夜言ったこと忘れたの?」
好きだと告げて半ば強引にキスをした。
それなのに嫌なわけないだろ。
『っ!忘れてないよっ!!』
ほんのり頬を染めたちゃんが忘れてないと視線を逸らす。そんな顔されたら期待しちまうだろ。
「一緒にはいろ?」
2度目の問いかけにコクンと頷いたちゃんの手を引いて脱衣所へと向かう。俺が上の服を脱いでいる間、目をぱちぱちとさせながら微動だにしないちゃん。
「あの…えっと脱がないの?」
『あ…えっと。恥ずかしいからさ…。
千冬くんのこと洗ってあげるだけでも…いい?』
いきなり全裸は無理か。誘っておいて俺も心の準備は全くできてない。既に少し反応してきている下半身に意識が向けば向くほど熱を持ち始める。
「あ、うん。お願い…します。」
『うんっ』
キャミソールとショートパンツだけになったちゃん。俺は恥ずかしくて腰にタオルを巻き付けた。見られるわけにはいかねえじゃん。嫌われたくねえもん。
『はい、千冬くんここ座ってね』
お風呂に置いてあるイスに座らせた俺の横でちゃんは浴槽の縁に腰をかけている。綺麗な脚が俺の脚に触れて…って意識するな…タオルじゃ隠せなくなるぞ。