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ヴォード家に嫁ぎました!【ブラッククローバー / R18】

第6章 決意





「ランギルスが金色の夜明け団、副団長に任命されたそうだ」


その話しをお父様から聞いたのはつい最近のことだった。ランギルスさんはもう20歳になって、立派な魔導士としてクローバー王国を守っている。フィンラルさんも21歳を迎え、黒の暴牛の団員として日々任務に尽力している。





「ミライさん、戻りました!」


「フィンラルさん、おかえりなさい」


今日はフィンラルさんが戻ってきた。お父様とお母様は以前からフィンラルさんが帰ってきても、毎度嫌味を言うばかりだった。ランギルスさんが副団長に任命されてからは更に嫌味を言うようになっていた。


「ヴォード家の恥晒しだ。どのツラ下げて帰ってくるんだ。ランギルスを見習え!」


「黒の暴牛団だなんて恥ずかしいわ…ランギルスさんは金色の夜明け団の副団長だっていうのに…」





フィンラルさんはそんな嫌味を言われても、必ず月2回の休暇のたびに帰ってきてくれていた。フィンラルさんが家にいても居心地が悪いと思い、今日はわたしからご飯に誘うことにした。


「フィンラルさん?王都にごはんを食べに行きませんか?」


そう言ってフィンラルさんの部屋をノックする。するとすぐにドアが開き、フィンラルさんがうれしそうな表情で出てきた。


「はい!行きましょう!」


フィンラルさんはそう言ってわたしの手を引き、空間を出した。王都に着くと、わたしたちは行きつけのお店に入り、席を案内されると対面で座った。


「フィンラルさん、無理して帰ってきてますか?」


「ミライさんに会いたいから帰ってきてるんです」


フィンラルさんはそう言ってわたしを見つめた。恥ずかしくなり、目を逸らしてしまう。


「フィンラルさんの気持ち、すごくうれしいです。でもお父様やお母様の言ってることは気にしないでください…黒の暴牛も素敵な魔法騎士団です!わたしにとってフィンラルさんは立派な魔導士ですから!誰かと比べる必要なんてないですよ?」


「ミライさんは本当に優しいお方です。俺はそんなミライさんが好きです!弟に取られたくない…」


フィンラルさんはいつもさらっと感情を素直に伝えてくれる。いっしょにいて楽しいし、笑顔になれる。わたしはフィンラルさんといて不満なんてひとつもなかった。なかったのに…



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