ヴォード家に嫁ぎました!【ブラッククローバー / R18】
第5章 曖昧な感情※
ランギルスさんはそう言って腰の動きを早める。ゾクゾクと快感が押し寄せてくる。
「んぁっ……キスっ……ランギルスさん、キスして……!」
ランギルスさんはわたしの頭を優しく包み込むとキスをした。すぐに舌を絡めとられ、それに必死で応えた。
「んんっ」
「ミライさんっ……はぁっ中に出しますよっ……ミライさんの中に全部っ……」
「あぁっ!またきちゃうっ……きて……くださっ」
「あっ……くっ」
わたしはビクンと背中をのけ反らせたと同時に生温かい液体を中に出されるのを感じた。ランギルスさんがわたしの上に覆い被さりビクッと痙攣した。そのままの体制でお互いに息を整えていると、ランギルスさんがわたしの顔を見つめる。
「はぁっ……もう一回いいですか?」
わたしはランギルスさんの首の後ろに手を回しコクンと頷いた。
目が覚めると、部屋は暗くなっていた。隣にはランギルスさんがわたしを包み込むようにして寝ている。あれから何回かしてしまって、気がついたら気を失っていたようだ。
月明かりでうっすらと見えるランギルスさんの寝顔に胸がキュンと締め付けられる。愛おしくなり頰をそっと撫でると、ランギルスさんが手の甲で目を擦りゆっくりと目をあけた。
「ごめんなさい……起こしちゃいましたか?」
「いや……目が覚めただけですよ」
「そろそろお父様やお母様が帰ってくるかもしれないのでお部屋に戻りますね?」
そう言って腕から抜けようとすると、ギュッと力強く抱きしめられた。
「……ランギルスさん?あのっ」
「まだ僕の隣にいてくれませんか……?」
ランギルスさんが切なげな声でそう言った。
「え……?はい、もちろんです」
「ミライさんといると安心するんです、僕。ずっとこの家が窮屈だった……息苦しいんです」
何も言われなくてもなんとなく前からわかっていたこと。名門貴族が故の重荷と重圧。気さくで優しいお兄さんへの劣等感。人一倍勉強も魔法も努力してきたんだとわかっていた。
わたしはランギルスさんの背中にギュッと手を回した。
「ランギルスさん……泣きたいときは泣いていいんですよ」
わたしがそう言うと、ランギルスさんは小さく肩を震わせた。