ヴォード家に嫁ぎました!【ブラッククローバー / R18】
第5章 曖昧な感情※
あれから月日が経ち、ヴォード家からフィンラルさんとランギルスさんがそれぞれ魔法騎士団に入団した。クローバー王国の平和のため日々任務に行き、それぞれの魔法騎士団の本拠地で暮らしている。
2人とは休暇で月に2回ほとヴォード家に帰ってくるとき以外顔を合わさなくなった。フィンラルさんが帰ってくるときは、決まって中庭で紅茶を飲みながら他愛もない話しをしたり、王都に食事に行ったりしていた。
今日はランギルスさんが帰ってくる日だった。
午前中は王都へ買い物に行き昼頃にヴォード家に戻ると中庭に金色の夜明け団の制服を着た後ろ姿を見つけた。何をされるかわかっているのにドキッと胸が高鳴る。
ランギルスさんはわたしの気配に気づき、わたしを見つけるなりこちらへ向かってきた。
「どこに行ってたんです?ミライさん……今日は僕が帰るって言ってたじゃないですか」
ランギルスさんはわたしに近づき耳元でそう言うと、わたしの腕を掴んだ。
「あ……えっと、紅茶を買いに行っていたので……いっ今、紅茶淹れますね?」
このままじゃまた流されて、部屋に連れて行かれてしまう。今日はもう流されないでちゃんと拒まなきゃ……そう思っていた。
ランギルスさんは帰ってくるたびにわたしを抱いていた。拒めずに受け入れているのは身体を重ねるたびに、ランギルスさんの弱さに気づいていたから。好きかと聞かれたらわからないけれど、ランギルスさんをひとりにできなかった。
ランギルスさんがわたしを好きじゃないことはわかっていた。ただ誰にもわかってもらえない自分の感情をわたしにぶつけて、そんな自分を受け入れてほしいんだと思う。ランギルスさんの気持ちを痛いほど知ってから、放っておけなくて秘密の身体の関係を続けていた。
「紅茶は別にいりませんよ。わかってるくせに……顔が真っ赤ですよ」
ランギルスさんに耳元でそう言われて、恥ずかしくなり顔を逸らした。
「なっ……何のことですか?手離してください……ランギルスさんの好きな紅茶たくさん買っておいたので……今っ」
わたしはそう言ってごまかして、この場から逃げようと手を振り解こうとすると、ランギルスさんに身体を引き寄せられ触れるだけのキスをされる。
少しの隙間からランギルスさんの舌が入ってきて、わたしの口内を犯されていく。