C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第14章 戦場で見たもの
「それにしても……いつから黒の暴牛は託児所になったんですか?子ども2人の面倒を見るのも大変でしょう?兄さんはそんな子たちの子守り……悔しくはないんですか?」
「ランギルス……俺のことはバカにしても構わない、いくらでもな……だが、うちの団員のことはバカにするな!」
フィンラルは怒りを露わにし、ランギルスに言い返した。
「へぇ……そんな怖い顔できたんですね……それと、その女と仲良さそうにしてましたけど……その女は僕の“モノ”なんで兄さんは手をつけないでくださいね……」
「ランギルス……“モノ”ってどういう意味だ……好きなんじゃないのか?ミライちゃんの首のアザこれお前がやったんだろ……」
「そのまんまの意味ですよ?好きなわけないじゃないですか……暇つぶしにすぎませんよ……ヴォード家に来たあの人はつまんなそうですけど、その女は僕の言いなりになってくれる僕にとってただの都合の良い女です」
ランギルスがフィンラルに向かってそう言い捨てた。わたしはわかっていたことなのに、悲しくて涙がポロポロと出てくる。さっきヤミ団長が話していた真実の愛で繋がる道なんて、ランギルスとわたしの間にできるわけがないのだ。
フィンラルはわたしが泣いていることに気づいたのか、背中をさすってくれた。そして、ランギルスに言い返す。
「ランギルス……ミライちゃんをなんだと思ってるんだ……」
「「そうだ、そうだ!!」」
アスタとチャーミーもランギルスに向かって言い返してくれている。
「俺はミライちゃんが好きなんだ。ミライちゃんをこれ以上傷つけさせない。好きじゃないなら二度と会うな。」
「兄さんがそんなことを言っていたら、ヴォード家に来たあの人が悲しみますよ……?そんな下民の女に夢中になっているなんてあきれますね……」
そのとき、突然ランギルスの方に粘液のようなものが飛んでくる。ランギルスは手を振りかざし、粘液を切り裂いた。
ズリュヌヌヌ────……
「おい、小僧……八輝将のメンツにかけて貴様の首は持って帰るぞ〜」
先ほどランギルスが倒した粘液魔法の敵兵が粘液で民衆を巻き込んだ状態で突然乱入してきたのである。
「あら〜まだ生きてたのか……しかもあれじゃ僕の空間魔法が周りの民間人にも当たってしまうね……」