C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第14章 戦場で見たもの
「お姉ちゃん、お姉ちゃんってば!」
わたしは男の子に腕を引っ張られて、ハッとして我に返る。あれが攻撃型の空間魔法……物凄い威力で一瞬にして空間ごと削り取って敵を倒していた。
でもランギルスはグリモワールを使っていなかった。今さっき見た魔法よりも強い、グリモワールを使った魔法を他に持っているということだ。呆気に取られてわたしはボーッとしてしまい、男の子に申し訳なく思った。
「ご、ごめん……とっても強い魔法騎士さんが怖い人をやっつけてくれたみたい……だからおうち見に行こうか?」
「本当?やったぁ〜!」
男の子は嬉しそうにそう言うと、わたしの手を引き歩き始めた。すぐ近くに男の子の家があり、男の子は壊れていなかったことを確認すると納得してくれた。フィンラルたちがいる場所へと急ぐ。
歩いていると空から光が降ってきたので、びっくりして空を見上げる。そこにはユノさんが敵兵と上空で戦っている姿があった。ユノさんは敵兵を一撃し、敵兵が空から落ちていくのをわたしたちは見ていた。
「お姉ちゃん、魔法騎士さんすごいねぇ!強いねぇ!僕も魔法騎士団に入りたいなぁ!」
「頑張ってね!」
話しながら歩いているうちにフィンラルたちがいる場所が見えてきた。フィンラルがわたしに気づいて手を振っている。
「ミライちゃ〜ん!突然いなくなったから心配してたんだよ〜!」
「ごめん、フィンラル……この子が迷子で泣いてたから助けてたの……お母さんいるといいね?じゃあまたね!」
そう言って男の子に手を振り、フィンラルの空間で避難させた。
アスタとなぜか顔を真っ赤にしたチャーミー、そしてさっきまで上空で戦っていたはずなのにクールな顔のユノさんがいた。
「ミライさんを戦場に連れてくるとかありえない……」
ユノさんは呆れた顔でそう呟いた。
「ミライちゃん救食の王子と知り合い?」
ユノさんと話していると、チャーミーに聞かれる。
「こないだ金色でお世話になったときに仲良くしてもらって……」
「ミライちゃんがうらやましいのら〜!」
チャーミーはそう言うと顔を赤らめながら、ユノさんにケーキを差し出した。どうやら救食の王子とはユノさんのことだったようだ。
みんなで話していると、ふと上から声が聞こえた。