C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第12章 悲しい夜※
「人を好きになるのに下民とか関係ないですよ。それはランギルス副団長もお分かりでは?」
ランギルスに対して、ユノさんの突然の反抗的な態度に驚いてしまった。
確かユノさんはアスタと同じハージ村出身の所謂下民で、アスタの親友でありライバルだと聞いていた。下民でありながら、貴族や王族ばかりのエリート集団である金色に入団したのだから魔力が強いのだろう。
いつもクールで何事もそつなくこなすイメージだったけど……こんな反抗的な態度も取るんだ……ランギルスの顔を怖くて見ることができない。
「は……?ユノくん。副団長の僕に向かってなんて口を利くんだい……君は……」
ランギルスは明らかに怒っている。
「こら!ユノ。ランギルス副団長相手に失礼だぞ。言葉を慎め。」
「……」
クラウスさんがまずいと思ったのか、わたしの腕を離してユノさんを叱責した。ユノさんは黙ったままだ。重い空気が流れている。
ランギルスは何も言わずに、わたしたちの席から去っていった。
「本当にありえないですね……あの人のどこがいいんだか俺にはわからないですよ。」
隣にいるユノさんが周りに聞こえないように小声でそう言って、フッと鼻で笑った。
「ユ、ユノさん……?もしかして……」
「たまたま通りがかって……俺、任務だったんで。誰にも言わないんで安心してください。」
真夜中にランギルスと中庭にいたところをユノさんに見られていたようだ。恥ずかしくて顔が熱くなっていく。
「おい、どうした?ミライ。顔が真っ赤だぞ?」
「ミライさんお風邪でも引かれましたか?」
クラウスさんとミモザさんにまた心配される。
「な、なんでもないです……!」
そして、今日も金色の夜明け団での1日が始まった────……
────その日の夜
今日も1日中、中庭の草むしりの仕事をしていた。それ以外はクラウスさんとミモザさんとユノさんの3人で過ごしていた。
ミモザさんが回復魔法を使って傷を治してくれると言ってくれたけれど、こんな理由でミモザさんの魔力を使ってもらうのは申し訳ないと思い断った。
体の無数のアザを他の団員に見られないように、お風呂は夜中に入った。部屋に戻ろうと長い廊下を歩いていると、突然背後から腕を引っ張られた。