C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第10章 団長会議にて
────団長が集まる部屋
ヤミ団長の後ろに隠れて入り、隣に座った。各団の団長というだけあって、物凄くオーラがある人ばかりだ。
中でも一番怖そうな見た目である、緑のローブを羽織った顔に傷がある男の人が口を開いた。
このローブ確か……この前アジトに来たセッケと同じだ。ということは、セッケが切り裂かれると言っていた団長ってこの人のこと?
「カカカ!ヤミ。その女誰だァ?」
「あぁ、こいつは異世界からトリップしてきたらしい。行くとこないっつーから、俺の団で雇うことにした。」
「「トリップ……?」」
ひぃぃ……!団長たちが一斉にわたしの方を見た。
「お前も下民の異邦人だが、またそのような怪しい異邦人を団に入れるとは……ヤミ、貴様はどうかしている。」
特徴的な前髪をした男の人が見下すようにこちらを見た。この人……戦功叙勲式の時にいた……ノエルのお兄さんだ。
「全くだ……このような得体の知れない若い女を団に入れ、わざわざ連れてくるとは……全く話しが先に進まん。」
軽装の鎧の上に兜を被ったきれいな女の人。品もあって、美人である。思わず見惚れてしまった。
「貴様。何を見ている。」
「あ……申し訳ありません……あまりにもきれいな方でしたので、思わず見惚れてしまいました……」
「ハッハッハ!よかったなぁ?トゲトゲツンツン女王さん。王族さんがうるさいんで、ミライ自己紹介しろ。」
ヤミ団長がそう言うと、その女の人はさっきまでのツンツンとした態度とは裏腹に顔を赤らめた。
「は、はい!えっと……わたしは異世界からトリップしてきたミライと申します。ヤミ団長に拾ってもらって、黒の暴牛で働いています。魔力がないので雑用しかできませんが、この世界にいる間はよろしくお願いします……」
「「……」」
「そういうわけだからよろしく。あとは俺からお前らの名前を紹介しとくわ。」
ヤミ団長がそう言って、わたしに各団長の名前を紹介してくれた。
翠緑の蟷螂団、ジャック・ザリッパー。
紫苑の鯱団、ゲルドル・ポイゾット。
蒼の野薔薇団、シャーロット・ローズレイ。
銀翼の大鷲団、ノゼル・シルヴァ。
水色の幻鹿団、リル・ボワモルティエ。
珊瑚の孔雀団、ドロシー・アドワーズ。