C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第10章 団長会議にて
アスタと別れて、わたしはヤミ団長についていく。
「あのっヤミ団長……?魔法帝と話すだけじゃないんですか?団長方がいる場所にわたしがついていって大丈夫でしょうか?」
「別に大丈夫だろ。俺がいるし。心配すんな。」
ヤミ団長はそう言って、わたしの頭をポンッと撫でた。
「……ありがとうございます。」
「お前、朝から様子がおかしいなぁ?フィンラルに告白でもされたか?」
「……」
ヤミ団長の勘が鋭くて、これ以上誤魔化すことができない。言葉が出てこないのだ。
「図星か?まさかよりによって兄弟に好かれるなんざ思ってもねぇよな!ハッハッハ!」
ヤミ団長は唯一、わたしがランギルスのことを好きなのを知っている。嘘をつく必要はないと思った。というより、この人には嘘はつけないようだ……
ヤミ団長を含む他の魔導士にとって、ランギルスは貴族であり魔力の強い空間魔法を駆使した攻撃のできる金色の夜明けの副団長であるという人物像でしかない。
ランギルスがお兄さんのフィンラルに対して、劣等感を抱いているなんて想像できないことだ。フィンラルよりランギルスの方が魔力が強く、エリートである金色の夜明け団に所属しているその事実だけを見れば、ランギルスの方が上であると誰もが思うからだ。
ランギルスの本当の気持ちを知っているのはわたししかいない。このことだけは、ヤミ団長にも絶対言ってはいけないことだと思っている。
「ヤミ団長のおっしゃる通りです……フィンラルに告白されました……ナンパはもうやめるって言ってました……」
「ハッハッハ!あいつの女好きはそう簡単に直んねぇよ。何カッコつけんてんだあのヤロー」
「そうですよね……休暇のたびにナンパしに行ったり合コンしたりして、本気じゃないですよね……」
「本気かどうかは俺にはわかんねぇけど、お前も思わせぶりな態度しすぎじゃねぇの?男ってのは単純だからなぁ?」
「……え?」
「お前が金色の坊ちゃんを好きで、フィンラルに気がねぇならはっきりさせろよ。くだらねぇ恋のせいで任務に支障が出たら困るからなぁ?あいつは俺のアッシーくんだしな。」
確かにこないだ酔っ払ったときにフィンラルに自分からくっついたり、腕を掴んだりしてしまった……ヤミ団長の言うように、思わせぶりな態度だったかもしれない。