C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第9章 団長のいない夜
夜が明けても帰ってこなかったヤミ団長とフィンラルとゴーシュとアスタとノエル。朝になると、アジトにいるわたしたち団員にも情報が入ってきた。
凶悪魔導士の兄弟にネアンの町の子供たちが誘拐されてしまう事件が起き、そこへ先日王都を襲ったテロリスト集団である“白夜の魔眼”の頭主を名乗るリヒトが登場し戦闘しているというのだ。
フィンラルの空間魔法で無事に子供たちはネアンの教会に避難し回復魔法で治療を受けていて、戦場にいるのはどうやらヤミ団長、フィンラル、ゴーシュ、アスタ。ノエルはネアンの町で待機しているそうだ。
しばらくすると、“白夜の魔眼”の頭主であるリヒトを倒し拘束したとの情報が入ってきた。フィンラルの魔力が回復次第、帰るとのこと。リヒトは魔法騎士団に連行するそうで万事解決かと思っていた。
安心したのも束の間、“白夜の魔眼”の幹部である最強の3人“三魔眼”通称サードアイが現れ、ピンチのところへ3人の団長が増援に駆けつけたとのこと。
銀翼の大鷲団のノゼル・シルヴァ、翠緑の蟷螂団のジャック・ザリッパー、碧の野薔薇団のシャーロット・ローズレイである。
激しい戦闘の末、“白夜の魔眼”は撤退。
アスタのアンチ魔法の攻撃によりリヒトにかけられていたなんらかの封印魔法が解除され、敵の都合が悪くなって逃げられたとのことである。
勝ったというわけではないが戦闘はひと段落し、敵の目的が炙り出された。昔に起きたなんらかの出来事によってクローバー王国を憎むリヒトは、魔石と封印魔法によりなにかをしようと計画しているということである。
────次の日の夕方
アスタはネアンの教会でミモザの回復魔法で治療を受けながら、丸1日寝ていたようだ。
ようやく夕方になって、アスタもノエルも無事に帰ってきた。団員みんながアジトに揃った。
「ノエル、アスタ、おかえり〜!なんか久しぶりに感じる……」
無事に帰ってきた2人を抱きしめた。
「え?え?え〜!!ミライさん?くっつきすぎですって!」
アスタが顔を赤らめている。ふと、ノエルを見るとなんだか浮かない顔をしていた。
「ノエル……どうしたの?」
「聞いてほしいことがあるの。来て!」
ノエルに腕を引かれ、アジトの外に出る。
「アスタがあの合コンの女にキスされてたの!」