C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第9章 団長のいない夜
団長とフィンラルがいなくなったアジト。
アジトには未だに寝ているバネッサとチャーミーとマグナとラック、起きているグレイとゴードンが残っていた。そして、フハフハうるさい訪問者。
あれ……?この人、この前ネアンで合コンしてた……そうそうノエルが言ってたフッハだ……!確か翠緑の蟷螂団だ。
ネアンの町で事件ってことは、アスタとノエルとゴーシュが巻き込まれているはずだ。
「あの……フッハさんでしたっけ?ノエルたちは大丈夫なんですか?」
「これはこれは……かわいいお嬢さん。さっきの男の彼女かい?こんな大変なときに呑気に2人で寝てるとは……それに俺はフッハじゃない。セッケ・ブロンザッザだフッハ!」
……え?名前違うじゃない!ノエルったらもう……それに、フィンラルの彼女だと思われている。
「ち、違います!お名前間違えてすみません……わたしはミライといいます。黒の暴牛の新人です。」
「黒の暴牛は美人ばっかりでうらやましいフッハ……」
語尾にフッハをつけたり、フハフハ口癖なのかな?名前を間違えられるのも無理はない。
「あの〜、ノエルたちのことを教えてほしいんですけど……」
「俺もいまいちわからないんだよなぁ。ジャック団長に魔法騎士団本部の手伝いに回されて暴牛のお嬢さんに連絡をもらっただけだからな!ネアンの町に一番近いこの黒の暴牛のアジトに来たんだフッハ!」
「はぁ……、そうなんですね……」
「お嬢さんもこんなはみ出しもんばかりのとんでもない団なんてやめて、俺といっしょに真夜中のデートなんてどう?フッハ!」
「黒の暴牛はみんな優しくて強くてかっこいい団ですよ?それより、早く魔法騎士団本部に戻らないとまずいんじゃないですか?」
「フッハ!そうだった……早く本部に戻らないとジャック団長に切り裂かれる……フッハ……」
切り裂かれる……?翠緑の蟷螂団の団長はそんなに怖い人なのだろうか?
セッケは思い出したように慌ててアジトを去っていった。
未だに団員のほとんどが寝ているし、わたしも飲みすぎたせいか頭がガンガンと痛む。
フィンラルとあんな風にくっついて寝ていたなんて……飲みすぎてやらかしてしまった。ランギルスとフィンラルが兄弟だと知ったばかりなのに、わたしは何をやっているの?自分に嫌気がさす。