C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第9章 団長のいない夜
────その日の夜
ノエルの愚痴をしばらく聞き、恋愛相談にのっていた。あっという間に夜になり、マグナに呼ばれる。
アスタの回復祝いで大食いバトルをするというのだ。カウンターのそれぞれの席に用意された積み上げられたノモイモパイ。
「すごい量……こんなの食べれない……」
「ミライも強制参加だ。頑張れよ!」
マグナはそう言ってわたしの肩を叩いた。
わたしは1つ食べるので精一杯ですぐにリタイアした。優勝はもちろんチャーミーで決着。
そうこうしていると、王都からの手紙が届いた。ヤミ団長が読む。
「明日俺ら団長集めて会議をやるから、アスタを連れてこいと書いてある。あと、ミライも一緒に行くぞ。」
「……え?わたしもですか?」
「あぁ。ついでにこの前の件、魔法帝に報告すんぞ」
「あ、はい……わかりました。」
こうして明日、わたしはヤミ団長と団長会議に出席することとなった。
夜も更けて、寝ようと目を瞑ってもなかなか眠れない。1人でアジトの外に出て草むらに座って夜空を眺めていると、物音がした。
「……ミライちゃん?こんな時間にどうしたの?」
この声はフィンラルだ。この前のやらかした件もあり、変に意識してしまう。
「あ、えと……眠れなくて……」
「俺もだよ〜。いっしょだね!」
フィンラルはそう言うと、わたしの隣に腰を下ろした。距離が近くて、顔が熱くなってくる。
「あ、あの……フィンラル?この前、ごめんね……わたし酔っ払っちゃって何にも覚えてなくて……」
「あ、いや……ミライちゃんがかわいくて、俺ずっとあのまま朝まで寝たかったのに、いきなり叩き起こされて最悪だったよ!」
「また、フィンラルはいつもそうやってお世辞ばっかり言うんだから……」
「俺、ミライちゃんのことは本気だよ?ミライちゃんが王都で会ってる人を好きなことはわかってる。でも俺、ミライちゃんが好きなんだ……」
フィンラルからの突然の告白に戸惑ってしまう。フィンラルとランギルスは兄弟であるという事実が余計に頭を悩ませる。
わたしが俯いて黙っていると、フィンラルが優しく抱きしめてきた。
「ごめん……困るよね……でも俺、あきらめられないんだ。」