C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第9章 団長のいない夜
座っているのもつらくなってきたため、隣に座っているフィンラルの肩にもたれかかった。
「……ミライちゃん?大丈夫?」
フィンラルにそう言われてハッとするも、フラフラのため動けなかった。
「バネッサさん、ミライちゃん潰れましたよ……飲ませすぎですって!ってバネッサさん?」
「うっ……ちょっとトイレ……」
「バネッサさんも飲みすぎですって!もう……」
もう何も考えられないくらいに限界が来ていた。
「ミライちゃん、自分の部屋に戻ろうか?俺が空間魔法で送るから立たなくても大丈夫だよ?」
「へ……?はぁ……」
あれ?わたしは今、誰と飲んでいるんだっけ?ここはどこだろう?
誰の肩だろう?意識が飛びそう……1人になりたくない……
「嫌……いっしょにいてほしいの……」
気づいたらわたしはそう口にしていた。
誰だか定かではない人の腕を掴んで、もたれかかったまま意識が飛んだ。
────突然、部屋が騒がしくなり目が覚める。どうやらわたしはソファーに座ったまま寝ていたようだ。
なぜか隣にはフィンラルが寝ている。わたしはフィンラルにもたれかかり、腕を掴んでピッタリと密着している。
……え?何この状況?頭が真っ白になる。
確かバネッサとフィンラルと飲んで……そのあとの記憶がない。
「ネアンの町で事件だ?大事なことは早く言え!バカヤロー!」
「フッハ!!」
こんな真夜中に誰か訪問者?知らない人の声が聞こえてくる。フハフハうるさい……フィンラルはまだ寝ているしどうすることもできず、目を瞑り寝てるふりをして会話を聞いていた。
誰かがこちらに来る気配を感じる。
「おい。フィンラル起きろ。任務に行くぞ。」
「ん……ヤミさん……こんな時間に何の用ですか?」
「ネアンの町で事件があって応援要請だと。どいつもこいつも使いもんになんねぇから、俺とお前で行くぞ。つーかお前はなんでミライと寝てんだ?」
「ヤミさんこれには事情があるんですよ!ミライちゃんがバネッサさんに飲まされて潰れちゃって……」
「フッハ!まさか彼女とか……?」
「うるせぇ。お前は黙ってろ。行くぞ、フィンラル。」
「は、はい!」
ヤミ団長はフィンラルを連れて、任務に行った。