C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第7章 満月の夜
ノエルはわたしの腕を引いて、走ってアスタを追いかける。路地裏の手前で立ち止まった。
「はぁ……、はぁ……」
「ミライ、アスタがいたわ……立ち聞きするわよ!」
路地裏を覗くと、こそこそとアスタと女の子が何やら話していた。
「アスタはさ……、好きな人とかいるのかい……?」
女の子が顔を赤らめながら、アスタに聞く。
「心に決めた人がいます!!」
アスタがそう言うと、女の子は切なげな表情になる。
「素敵な人なんだろうね……」
「素敵っス!同じ……」
「応援してるよ!」
「うっス!」
2人の会話を聞き終わると、ノエルが顔を赤らめて聞いてくる。
「ミライ、アスタが言ってた、同じって、同じ団のことかしら?それって、もしかして……わたし……?」
「そうかも。よかったじゃない、ノエル!頑張って、わたし応援してるよ?」
「別にわたしは……」
ノエルはうれしそうだった。
2人にバレてしまうとまずい、と思い、とりあえずこの場から離れることにした。しばらく町を歩いていると、泣きそうな顔のフィンラルとラックにばったり会った。
「フラれた……、ん、あれ?ミライちゃんとノエルちゃん!こんなところで何してるの?」
フィンラルがそう言った。
「あ、えっと……ちょっと用事があって……ね?ノエル!」
「う、うん!そうよ!」
「そうなんだ!俺、またフラれた……ミライちゃん、慰めてくれる?」
フィンラルは悲しそうな表情でそう言うと、わたしに抱きついた。
「フィンラル、ミライに抱きついてる暇があるなら、アジトまで早く空間出しなさい。あと、ミライを王都に送ってあげて。」
ノエルがそう言った。
「え〜!ノエルちゃん、何でそんなに上から目線なの?俺、先輩なんだけど……まぁ、いいや……ミライちゃんは何で王都に?」
フィンラルに問われたが、答えに困ってしまった。
「あ、えと……ちょっと用事で……」
フィンラルは不思議そうな顔をしたが、空間を作ってくれた。