C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第6章 魔法帝にご挨拶
中に入ると、魔法騎士が何人か、集まっていた。張り詰めた空気に居心地の悪さを感じた。
「では、戦功叙勲式を始めよう。」
魔法帝のその言葉で式が始まった。
クローバー王国の魔法騎士には、その者の実力を示す等級がある。この国トップである魔法帝の次に、魔法騎士団の団長。団長の階級は、大魔法騎士である。
その他の魔法騎士の序列を大きく分けると、上級魔導士・中級魔導士・下級魔導士の3つに、区別されている。その3つの中で、一等・二等・三等・四等・五等と細分化されている。各魔法騎士団の副団長は、一等上級魔法騎士が務める。
階級と等級は、魔法騎士が挙げた功績に応じて、上がっていく仕組みになっている。どの団も基本的には実力主義だが、貴族や王族は生まれながらに魔法の才能に恵まれている者が多いので、各団で重要な地位に就いている者は貴族や王族の出身者が多い。魔法帝は、功績と実力で手に入れる地位である、とされている。
後ろでただ立ち尽くし、魔法騎士が表彰されるのを黙って見ていた。表彰が終わると、魔法帝はこの場にいる魔法騎士の食事会を設けていると言い、用ができた、とこの場から去っていった。
食事会の会場に移動すると、表彰されていた魔法騎士たちが集まっていた。身分が高く、実績も積んでいる名誉ある魔法騎士たち。汚いものを見るような目でじろじろと見られる。アスタやノエル、金色の3人に対して、よく思っていないようだった。到底、食事をできるような雰囲気ではなく、息苦しささえ感じた。
「うおおおお〜!こんなもん食べたことないぞ、うんめぇぇ〜!」
アスタが目の前の料理をガツガツと食べ始めた。
「卑しい下民が……なぜ魔法帝はあのような低俗な者を……」
「ここにいることが不自然だ。場違いのネズミめ……!」
「「ハッハッハ……」」
アスタを見た魔法騎士たちから蔑む言葉が飛び交った。アスタは慣れている、と言って気にせず食べていた。すると、魔法騎士のひとりがこちらに向かって歩いてきた。ノエルの前に立つと、不敵な笑みを浮かべた。
「いやいや……、一番場違いな役立たずはお前だよなぁ?なぁ、ノエル……」
バシャッ────……
隣で水の溢れる音がした。