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C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】

第29章 C-LOVE-R





未だに信じられないのだけど、それでもほんの少しずつ現実味が出てくると目頭が熱ってしまう。そして、込み上げる思いを言葉にすればぽろりと涙が溢れてしまった。


「まさか……また、フィンラルにもヤミ団……じゃなくて、ヤミさんにも会えるなんて……夢みたい……」


「ミライちゃん泣かないの!」


「そうだな!せっかく再会できたんだから今日はパァっとやるぞ」


「フィンラル……ヤミさん……」


「とりあえず、俺が釣った魚で握った寿司を食え!」


「はい……ヤ、ヤミさんが釣った魚?」


「あ?俺は昔も今も漁師だ」


「え〜!!」


ヤミさん、フィンラルが握ったお寿司が一貫ずつ出てくる。まず一貫目を食べて少し落ち着くと、フィンラルが話し始めた。


「俺らはこの世界でも兄弟として生きてた。しかも、会社の社長の息子として。だから会社をどっちかが継がなきゃならなくて。そのとき俺は父さんの会社を辞めて、寿司屋の板前になりたくてさ。ランギルスに本音を話したら、あっさり引き受けてくれたんだ。」


「仕方なく引き受けたんですよ」


「この店にもちょこちょこ顔出してくれるし、兄ちゃん想いの弟だよ」


「兄さん……調子に乗らないでくださいよ」


「ランギルスがミライちゃんに再会した日も、俺の店に来てくれてさ。会いたいって言ったんだけど、なかなか会わせてくれなくてね。ですよね?ヤミさん」


「そうだな、あの日からどんだけ経ってんだよ」


「ミライの記憶が戻ってないのに、会わせたって混乱するだけでしょう?ミライにとっては、兄さんも店主のことも大事な記憶のひとつだったと思うから」


話しを聞いていると、ランギルスはわたしに気を遣って会わせるのを躊躇っていたのがわかった。わたしにとって大事な記憶をランギルスも大事にしてくれていることがうれしかった。こうして今日という日を選んで、サプライズしたかったんだ。


「それにしてもこのお寿司、ほんとおいしいです!シャンパンもすごく合うし、今まで食べたお寿司の中で1番かも……」


「僕もここのお寿司が一番好きだ」


「いつでも食べに来いよ」


ヤミさんはそう言って、うれしそうに口角を上げた。その言葉がとてもうれしかった。“いつでも”また会えることが。



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