C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第28章 空と月の間※
甘くて深いキスはわたしを内側から溶かしていく。こんなキスは本当に久しぶりだった。子宮がきゅんと収縮して、体中が疼いている。早くひとつになりたくて、全身の細胞がランギルスを求めていた。
このまま早く抱いてほしい……そう思った。だが、名残惜しそうに離れた唇から2人を繋ぎ合わせる透明な糸の先に、ランギルスが悩ましげな顔をしていた。
「……君を抱きたい」
ランギルスが絞り出されるようにそう言って、わたしはようやく理解した。部屋に入ってからずっとそのことで葛藤していたことを。
「それで様子がおかしかったの?」
「……いきなり迫るのもどうかと思ってね」
目を逸らしてぶっきらぼうに言うランギルスを見て、わたしは驚いた。意外だからだ。今までのランギルスなら躊躇なくわたしを抱くはずだった。
「ふふ、ランギルスらしくないね?昔はもっと余裕がなくて強引だった気がする。大人になったね?」
そう言って、わたしはランギルスの栗色の髪の毛を撫でた。その手を頰に滑らせ、目が合う。わたしが微笑むと、ランギルスはそっぽを向いて顔を赤らめた。
「……余裕なんてあるわけないでしょう?君はいつも僕を狂わせた。昔も今もだよ。どんな僕も受け入れてくれた。だから僕も本能のまま君を抱いていた。だけど、今は少しかっこつけたかっただけだよ……君のその大人ぶった余裕な顔を見るかぎり、気遣いは不要だったみたいだね……」
「いまさらかっこつける必要なんてないよ?大人びたランギルスも好きだけど、いつもの余裕のないランギルスも大好きだよ。わたしだけに見せてくれるから。当たり前でしょう?気遣いなんていらないよ?」
窓の方を見つめたまま誤魔化すように前髪をいじるランギルスの腕を、わたしは掴んだ。ランギルスはわたしに視線をうつす。目が合うと、わたしはじっとその青い瞳を見つめた。
「……早く……抱いて?」
ランギルスは目を見開いて、少しの間が空いた。わたしは掴んだ腕と後頭部を引き寄せ、ランギルスの唇を奪った。体中が疼いて仕方がない。少しの間も距離も焦ったかった。
すぐに舌は絡められた。ランギルスをホールドしていたはずの両手はベッドに押さえつけられ、ランギルスのペースに持っていかれた。口内の奥で舌が絡み合い、バスローブがはだけていった。