C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第4章 仕事のち恋
「そんなことないっスよ〜えへへへっ」
アスタは顔を赤らめた。
「俺は、魔法帝になることが夢なんス!!」
「魔法帝に?すごいなぁ……大きな夢があって……」
「ミライさんは夢、ないんですか?」
アスタに問われ、何も答えることができなかった。ただ漠然と生きているだけのわたしは、夢、なんてなかった。
「わたしは……いつも、諦めちゃうんだ……」
「諦めないのが、俺の魔法なんス!!だから、ミライさんも諦めないでくださいよぉぉ〜!!」
「ありがとう、アスタ」
アスタといると、不思議と前向きになれる気がした。
────数日後
アジトでの生活や自分の任された仕事もようやく慣れてきた。団員たちは任務だけでなく、生活の中でも魔法を使っている。ここ数日は驚愕の毎日だった。
今日も1日が終わり、陽が落ちて夜になった。毎日があっという間に過ぎていく。明日は休暇で、団員たちは任務がない。
「ミライ〜、これから王都に飲みに行かない?」
バネッサに誘われる。王都に行けば、彼に会えるかもしれない、という淡い期待を抱いていた。
「……え?いいけど……」
「わたしの箒に乗って行くわよ!準備してきなさい!」
わたしはローブを脱ぎ、部屋に置いた。お金を持って外に出ると、バネッサが待っていた。いつもの下着姿ではないが、露出度の高い格好をしている。
「バネッサ……、その格好で行くの?」
「当たり前よ〜!わたしも素敵な殿方を捕まえなくちゃ!ほらっ乗って?」
バネッサの箒に跨る。
「じゃあ、行くわよ?掴まって?」
ブワッ────……
「うわあああ〜!!落ちない?大丈夫かな?下見れないよ……怖すぎる!!」
バネッサの背中にしがみつく。
「もう、うるさいわね〜!すぐ慣れるわよ!ミライ、ローブ脱いできたの?」
「うん……彼には黒の暴牛にいることを言わない方がいいかな、と思って……魔法騎士団は互いに競い合ってる中なんでしょ?」
「そうね……まぁ……表向きは力を合わせて国を守るっていうのが前提だけど……敵対心があっても、おかしくないわね!」