C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第4章 仕事のち恋
「そういうノエルはどうなの?」
「わ、わたしは……ア、アスタなんか……アスタなんかっ!好きになるわけ……ないじゃないのっ!」
わたしが問うと、ノエルは顔を赤らめて答えた。アスタのことが好きなのだろうか。ノエルは天邪鬼な性格なんだな、と思った。
「ミライの彼を探しに、次の休暇に王都に飲みに行きましょうよ〜」
バネッサに誘われる。
「……え?でも……彼に会えるかどうか、わからないし……」
「顔が真っ赤よ?気になるんでしょ?彼のこと。運命の糸は自分で手繰り寄せるものよ?」
「わ、わかった……でも、王都までどうやって行くの?」
「……え?箒に決まってるじゃない!ここは、魔法の世界よ。ノエルは魔力のコントロールができなくて、飛べないんだけどね?」
「う……、今はまだ、修行中なだけよ!」
この世界の移動手段は現実とは違い、車や電車ではなく、箒、という事実が判明した。この世界の当たり前に思考が追いつかない。
───次の日の朝
他の団員よりも早起きをして、身支度を済ませた。男からもらった服はコルセットのようなものがついていて非常に動きにくいので、きのうノエルがくれたワンピースを早速着ることにした。共有スペースに行くと、すでにアスタが待っていた。
「ミライさん、おはようっス!!」
「アスタ、おはよう。よろしくね。」
まず、アジト内の掃除だ。このアジトは常に動いているらしく、その日によって場所が変わるという。
みんなで集まる、共有スペース。
チャーミーがすでに何かを食べている、食堂。
ヤミさんがいることの多い、トイレ。
牛からお湯が出ている、大浴場。
魔法に関連する本がたくさん置いてある、図書室。
恐ろしい道具が置いてある、お遊戯室。
幽霊が出ると噂の、廊下の掃除。
団員全員分の、洗濯。この世界には洗濯機というものがないそうで、物凄い量の洗濯物を全て手洗いする。
「ミライさんにこの仕事だけはやらせたくないんスけど……」
「……へ?」
アスタはそう言って、ぶ厚い扉を開く。中は薄暗く、唸り声が耳に響いた。気味が悪いと思い、アスタにしがみつく。恐る恐る足を前に進めると、檻の中に目を光らせた恐ろしい動物が見えた。
「な、なに……これ……」