C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第4章 仕事のち恋
わたしはこうして黒の暴牛団の一員となった。団員のみんなを呼び捨てで呼ぶことになって、敬語は使わないことになった。ノエルとバネッサにアジトを案内してもらって、自分の部屋を与えられた。
お世辞にも綺麗とは言えないが、掃除をすれば何とかなる。今は贅沢を言っている身ではなかった。明日は朝からアスタに仕事を教えてもらうことになっている。アスタとノエルは新入団員のため、アスタがほとんど雑用をこなしていたそうだが、その雑用がこれからはわたしの主な仕事になる。
寝る前にバネッサとノエルがわたしの部屋に来てくれていた。
「ちょっと女だけの話しもしましょうよ〜!ねぇ?」
「思ったんだけど……ミライの服、なんか趣味が悪いわ。仕方がないから、この服あげるわ。」
ノエルはそう言うと、何枚か、かわいいワンピースを渡してくれた。
「う……ちょっとね、事情があって……」
「今は、わたしとノエルとミライの3人だけなんだから、言ってごらんなさいよ〜!」
「そうよ、そうよ!王族のわたしに相談してみなさい?」
「その様子だと……男関係かしら?」
この世界でも、女子はこういう恋愛話が好物なのだろうか。2人の質問責めに黙っているわけにはいかなかった。
「2人とも絶対に言わないでね?」
「「うん、もちろん!」」
「わたしがトリップした夜に王都で男の人からもらった服なの……」
「「え〜!!」」
「その人は、どこかの団の魔法騎士だと思う。ローブを羽織っていたから……」
「「え〜!!色とかマークとか覚えてないの?」」
「それがね……トリップしたことで頭が真っ白になってて……よく覚えてないんだ……顔は思い出せるんだけど……」
「ミライ、やるわねぇ〜!わたしも素敵な殿方を捕まえなくちゃ!」
「ミライは……その人のこと、好きなの?」
ノエルにそう問われ、どう答えたらいいかわからなかった。好き、と即答することはできなかった。今は、彼のことをもっと知りたい、ただそれだけの気持ちだった。
落ち着いたら、また会いたい、そう思った。