C-LOVE-R【ブラッククローバー / R18】
第4章 仕事のち恋
入団が決まると、団員のみんながこの世界のことをわかりやすく教えてくれた。
この国は、アウグストゥス・キーラ・クローバー13世が治めるクローバー王国である。クローバー王国では、毎年3月、その年に15歳になる者を各地の魔導書塔に集めて魔導書を授与する。
魔導書は、魔法の才能を持つものが、その魔力を高めるために不可欠な物であり、持ち主が魔法を使う際にページを開いて使用する。グリモワールと呼ばれている。
この国は、9つの魔法騎士団とそのトップに君臨する魔法帝ユリウス・ノヴァクロノによって、高い軍事力を誇っている。国民は王族・貴族・平民・下民と4つの身分に分けられ、それに応じて王貴界・平界・恵外界とそれぞれ暮らしている場所が異なる。
王族または貴族は生まれながらに強い魔力を持っているが、逆に下民は魔力が低く最低限の魔法しか使えない者が多い。そのため、差別が根強い国となっている。
クローバー王国の周囲にはハート王国・ダイヤモンド王国・スペード王国の3つの国がある。各国それぞれがクローバー王国とは異なる、環境・文化・魔法を持っていて、各国が対立、あるいは友好条約を結んでいる。
魔法騎士団というのは、魔法帝直属の戦闘特化型魔道士軍団である。命を懸けて国を護ることを使命とする英雄軍にして、国民の憧れである。魔法騎士団の団員は、魔法帝に任務での活躍が認められると、星が授与される仕組みになっている。星の取得数は騎士団の名誉であり、各団は互いに競い合っている。魔法騎士団は、年に一度有望な新人を引き入れる入団試験を行なっている。
9つの魔法騎士団とは、現最強を謳われている“金色の夜明け”
“銀翼の大鷲”
“紅蓮の獅子王”
“紫苑の鯱”
“砦の野薔薇”
“翠緑の蟷螂”
“珊瑚の孔雀”
“水色の幼鹿”
そして、わたしが入団した、最低最悪の魔法騎士団と称される“黒の暴牛”
魔法騎士団にはシンボルカラーとシンボルマークがある。それぞれの団にはローブがあり、団員はそれぞれの団のローブを身に纏っている。トリップしたあの日に出会った男は、どこかの魔法騎士団の団員だった。
わたしがトリップした町には、王宮が目の前にあった。王宮は王都にあるため、わたしがトリップした町は王都だったことが判明した。